芸能

園子温監督 吉高由里子と満島ひかりを見出せた理由を語る

園子温監督が語る女優論(撮影/疋田千里)

 吉高由里子、満島ひかり、二階堂ふみ──。今や誰もが知る女優となり活躍する彼女たちだが、その才能を発掘し開花させたのが、映画界の鬼才・園子温氏だ。これまでに国内外、数々の賞を受賞し高い評価を得てきた園監督は先ごろ、ハリウッドで映画を撮ることを発表したばかり。新たなステージへ向かう園監督に、新刊『獣でなぜ悪い』(文藝春秋)に綴った、これまでに見出してきた女優たちや、日本社会に蔓延する「かわいい」への違和感、仕事の中身と生き方で輝く力など、女優と女性の魅力について聞いた。

──園監督は多くの新人や無名女優の才能を開花させていますが、どのように女優を見出すのですか?

園監督(以下、敬称略):有名な人はよくテレビでも見るし、キャラクターももうわかっていて、そのキャラクターを活かしてどう使うかしかないので、あまり面白くないんですよ。有名度合いを商品価値として使うことで、映画の興行の安全性をキープしようとしてるだけというか。そういうのはあまり興味がなくて、まぁ単純に新人発掘が面白いというだけです。

 新人を見つけ出して育てて…、そういうことをやりだしたのは吉高が最初なんですけど、一度うまくいったらクセになったというか(笑)。それまでは女優にも特に興味がなかったし、たまたま『紀子の食卓』が女優ばかり出る映画だったので、初めて女優で映画を撮ることを体験して、自分は男より女優の方が面白いなって気づいたんですよ。吉高は、演技経験も何にもないまっさらの女の子が、撮影中にどんどん開花していく姿を見て、すごく面白いなって思いましたね。

──完全に無名の新人だった吉高由里子さんや、才能が埋もれていた満島ひかりさんを見出されましたね。特に吉高さんとの出会いは、監督として覚醒した特別な出会いだったともお書きになっています。

園:他にもいるんですけどね。安藤サクラも『愛のむきだし』からだと思いますし、あとは『TOKYO TRIBE』に起用した清野菜名とか。

──『紀子の食卓』で芸歴ゼロの吉高さんに即、決めた時や『愛のむきだし』で満島さんを起用した時もですが、“何かもってるな”という感覚とはどこからくるんですか? 隠れた本質的な部分も含めてどう見抜いているのでしょうか?

園:まぁ滅多にそういうことはないんだけど、存在でいける、すごいなと思ったから。それは本来、事務所が見抜くべきなんだけどね(苦笑)。オーディションに行かせて、作品で輝いて急に有名になってきたら目をかける事務所は多いよね。

 意外と自分にとっては才能の発露ってわかりやすくて、ことさら目を光らせていなくても普通にわかるものですね。それに、ぼくの嗜好性でしかないから。『紀子の食卓』のオーディションには、売れていない北川景子も来ていたけど、全然興味が湧かなかった。『パッチギ!』に出てそこそこ売れている沢尻エリカも来ていたけど、彼女は当時、女優をやる覚悟がなかったからね。

関連記事

トピックス

三重県津市議会の青山昇武議長が女性市議への「不同意わいせつ」と「不同意性交等未遂」の疑いで書類送検された(左・Facebookより)
三重県津市議会の“禁断の話題” 公明党・青山昇武議長が女性市議への「不同意わいせつ」と「不同意性交等未遂」の疑いで書類送検、 調査委員会設置は棄権多数で否決
NEWSポストセブン
新橋には庶民に人気の居酒屋が数多くある(写真提供/イメージマート)
新橋の居酒屋が全国初「路上営業」で営業停止処分 人気店が摘発された背景と野外での”違法営業”が続く事情
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(時事通信フォト、写真は東京都港区の店舗)
【ネズミ混入味噌汁・被害者とのやり取り判明】すき家は「電話を受けた担当者からお詫び申し上げました」 本社も把握していたのに2ヶ月公表しなかった謎
NEWSポストセブン
水原の収監後の生活はどうなるのか(AFLO、右は収監予定のターミナル・アイランド連邦矯正施設のHPより)
《水原一平被告の収監まで秒読み》移送予定刑務所は「深刻な老朽化」、セキュリティレベルは“下から2番目”「人種ごとにボスがいて…」 “良い子”にしていれば刑期短縮も
NEWSポストセブン
歌舞伎町では多くの外国人観光客でにぎわう(撮影/木村圭司)
《全国初摘発》東京・歌舞伎町の「インバウンド向け風俗店」荒稼ぎの実態 客の6~7割は外国人で売り上げは11億円、店からは16か国の通貨を押収
週刊ポスト
眞子さんの箱根旅行のお姿。耳には目立つイヤリングも(2018年)
小室眞子さんの“ゆったりすぎるコート”に「マタニティコーデ」を指摘する声も…皇室ジャーナリスト「ご懐妊でも公表しない可能性」
NEWSポストセブン
ゼンショーホールディングスが運営する「すき家」が問題の画像についてコメントした(時事通信フォト)
【「味噌汁にネズミの死骸」で新展開】すき家がネズミ混入を認めて謝罪「従業員が提供前に商品状態の目視確認を怠った」 約2ヶ月にわたり非公表 昨年には大手製パン会社で混入の事例も
NEWSポストセブン
性被害により、バングラデシュの少女が8歳という幼さで亡くなった(地元メディアのFacebookより)
《バングラデシュ・少女殺害事件》「猿ぐつわをつけられ強制的に…」「義父の犯行を家族ぐるみで手助けした」 “性被害隠蔽殺人”も相次ぐ
NEWSポストセブン
原宿駅を降りてすぐに見える「竹下通り」(時事通信フォト)
《潜入レポート》原宿・竹下通りの偽ブランド品販売店にキャッチ男性に誘われ入店 「売っているのは本物?偽物でしょう」と聞くと…キャッチ男性がとった行動
NEWSポストセブン
3月1日に亡くなったフリーアナウンサーのみのもんたさん
《みのもんたさんは焼き肉で…》“誤飲”の恐ろしさ「窒息事故発生件数が多い食品」と「事故が起きた場合に重症となる割合が高い食品」、まったく異なるそれぞれのトップ3
女性セブン
サインと写真撮影に応じ“神対応”のロバーツ監督
ドジャース・ロバーツ監督が訪れた六本木・超高級和食店での“神対応” 全員のサインと写真撮影に応じ、間違えてファンの車に乗ってしまう一幕も
週刊ポスト
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”女子ゴルフ選手を待ち受ける「罰金地獄」…「4人目」への波及も噂され周囲がハラハラ
週刊ポスト