ところが、その折も折、新たな問題が持ち上がった。首相の実弟で信千世氏の父である岸信夫氏の健康不安説が飛び交ったのだ。
この春、信夫氏が慶応大学病院に極秘入院し、〈病状は思ったより深刻だったようだ〉〈入院は1ヶ月以上に及んだという〉(『選択』2018年7月号)と報じられた。
本誌・週刊ポストが岸事務所に真偽を確認すると、「風邪をこじらせたのは事実だが、(報道された)慶応大学病院には入院していない」と否定した。信夫氏は現在は政治活動に復帰しているものの、大物政治家の健康情報に敏感な永田町の住人の間では、「父の晋太郎さんは膵臓がんで亡くなり、兄の晋三氏は潰瘍性大腸炎の持病がある。安倍家は健康不安に苦しめられてきただけに、信夫さんは本当に大丈夫なのか」(細田派議員)と不安視する声があがっている。
政界の名門、安倍・岸家は安倍首相の山口4区と、信夫氏の山口2区という2つの選挙区を持つ。後継者選びが急がれるのは子供がいない安倍家で、信夫氏は年齢的にも政治的にもこれからまだまだ上を目指す立場にある。「信千世氏に安倍家を継がせても、岸家の後継問題はずっと先」と思われていた。
しかし、岸家が先に代替わりする事態となれば、そうした計画が狂いかねない。信千世氏はただちに岸家の地盤を継がなければならなくなるからだ。安倍家と古い付き合いのある政界関係者が語る。