芸能

『半分、青い。』 律、涼次、秋風…隠れテーマは「夢追い男」

物語を動かしているのは「夢追い男」!?(公式HPより)

 11週連続で視聴率20%の大台を超え、好調が続くNHK朝の連続テレビ小説『半分、青い。』少女漫画家を目指していたヒロイン鈴愛(永野芽郁)がその夢を諦めてから、100円ショップ勤務、映画監督を目指す男性との結婚、出産と目まぐるしい展開が続くが、このドラマの“隠れテーマ”はヒロインを取り巻く「夢追い男」だと、コラムニストのペリー荻野さんは指摘する。以下、ペリーさんが解説する。
 
 * * *
 それにしても先が読めない朝ドラ『半分、青い。』。当初は、ヒロイン鈴愛(永野芽郁)と、幼なじみの律(佐藤健)のすれ違いラブストーリーかと思いきや、途中から鈴愛の漫画家奮闘お仕事ドラマのようになり、それがあっさり終わると、バイト先の100円ショップで運命の彼・涼次(間宮祥太朗)と出会ってすらすらと結婚。涼次を育てた三姉妹(キムラ緑子、麻生祐未、須藤理彩)も巻き込んでのホームドラマに。そして、鈴愛と涼次に第一子誕生で今度は、実家、友人総動員の子育て奮闘記に!?

 朝ドラでは、これまでにもヒロインの成長に従って、少女から大人の女性、さらには母親と変化していくことはあったが、『半分、青い。』のように、ラブストーリーからお仕事ドラマ…というようにドラマ全体の雰囲気がくるくると変化する例はなかった。

 そんな中、私はこのドラマの「隠れテーマ」というべきものに気がついた。それはドラマを引っ張っているのは、ヒロインではなく、「夢追い男」であるということだ。漫画家を目指した鈴愛が出会ったのは、人気漫画家・秋風羽織(豊川悦司)。鈴愛が持ち込んだ「五平餅」のほれ込んだ彼の判断によって、鈴愛は秋風のもとで修行し、デビューし、挫折する。秋風は、夢を追い、成功した人物だが、彼は突然、鈴愛の故郷を訪問したり、陰で鈴愛の作品を支えたり、大きな存在となって動く。

 その後、出会った涼次は、芸術的作品で一度は注目を集めたが、その後、鳴かず飛ばずの映画監督・元住吉祥平(斎藤工)の身の回りの世話をしつつ、助監督から映画監督を目指す夢追い男だ。そもそも祥平が夢追い男でその男を追うという二重の夢追いにも見えた涼次。売れっ子作家(若村麻由美)の小説を脚本にしたことを認められ、「監督デビューするんだ!」と喜んだのもつかの間、祥平が監督になってしまって、大挫折。だが、鈴愛の妊娠を知って「目が覚めました」「映画はやめる」と宣言。糸電話でおなかのベビーに話しかけるなど熱烈パパぶりを発揮し、これで落ち着くかと思ったら、またまた「映画の世界が俺を呼ぶんだ!!」…って、おいおい。

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン