僕ら世代のヌードの歴史を振り返ると、エロ写真からはじまり1970年代のビニ本を経て、『週刊プレイボーイ』のアイドルのグラビア、消しが入った外国の『月刊プレイボーイ』、篠山紀信さんの『激写』をくぐり抜けてきました。今のようになんでもある時代と違って、階段を一歩ずつ登るごとく体験しました。長い歩みの末にヘアヌードにたどり着いたわけです。
ヘアヌードブームは、日本社会を大人にしたとも思います。童貞の男にとっては、初体験はとても大事です。でも、初体験は、通り過ぎるとほのかな甘い思い出でしかありません。『NUDITY』の菅野美穂さんは、ヘアヌードを知らなかった日本の男に筆下ろしをしてくれた聖なる一人だと思います。そんな思い出とともに『NUDITY』を今も本棚に置いている仲間がいるかと思うと心強いです。
【プロフィール】なかたに・あきひろ/1959年、大阪府生まれ。作家。早稲田大学卒業後、博報堂に入社しCMプランナーとして勤務。独立後は『面接の達人』(ダイヤモンド社)が大ヒット。著書は1000冊以上。中谷塾主宰。
取材・文■松本祐貴
※週刊ポスト2018年8月17・24日号