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「結婚向きな男」を選んだ39歳女性が離婚して得た教訓

 すぐにMさんに問いただすと、思いがけない返事が返ってきた。

「え、何が悪いの? ミサちゃんに迷惑かけてないでしょ、僕のお金なんだから。それに、彼女のお母さんが病気だというから援助しているだけで、お金はいつか返すと言ってるから、心配しなくていいよ」というのが、Mさんの言い分だった。

 あんた、騙されてる!と叫んでも、Mさんは聞く耳を持たなかった。それでもこの時点で、ミサさんの頭に「離婚」の文字はまだ浮かんでなかったという。

 しかし、金額を知って驚愕した。

「相手は、一人じゃなかったのかもしれない。何度も問いただして、女に使ったお金が総額1000万以上にのぼると聞いて、え、そんなにお金があったの?? と驚くと同時に、この人おかしい、やっていけない、と思いました」

 そして、Mさんが不妊治療を渋ったのは、浮気したいためだったのではないかという疑惑が、次第に確信に変わっていった。お金うんぬん以前に、Mさんを人として信頼できなくなっていた。

■好きじゃないから、夫の浮気が許せない

 Mさんが離婚に反対したため、別居することになった。しかしいったん冷え切った気持ちが再び熱を帯びることはなく、離婚協議を経て、2人は他人に戻った。

「彼を見て、女の人に馴れてない人ほど、女にはまるんだと痛感しました。たまたま株で稼いでいたからよかったものの、下手をしたら借金してたんじゃないかな。あとやっぱり、女性経験が少ない人は、女の人の気持ちがわからないんだなとも……」

 しかし、ミサさんにとって何よりの打撃は、私は愛されているというプライドを傷つけられたことではなかったのか。

「私のことを好きな安心安全な人、と思っていただけに、風俗嬢とはいえ、他の女の人にそんなに入れ込むなんて許せない、という気持ちになったんでしょうね。そういう意味では、結婚には向いてると思ったけど、私は彼のことを好きではなかったんだと思う。

 好きだから許せない場合もあると思うけど、好きじゃないから許せない浮気、もあるんですね」

 最後に、今振り返って、Mさんは「結婚向きな男」だったのか、そうではなかったのか。ミサさんの見解を聞いてみた。

「実際のところは……、他人だし、人は変わるし、わからない。いま言えるのは、結局のところ私自身が、『結婚向きな男』に向いてなかったな、ということですね」

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