国内

大前研一氏「総務省を解体、分割してサイバー省の新設を」

大前流の省庁改編策は

 橋本龍太郎首相(当時)が実行したかつての中央省庁再編(2001年)。17年後のいま、再び省庁を再編する議論が盛んになっている。経営コンサルタントの大前研一氏が、総務省をどのように再編すべきか、自身の考えを述べる。

 * * *
 以前、2001年の「橋本行革」による中央省庁再編の最たる間違いは厚生労働省だと指摘して再分割を提案したが、橋本行革には他にも多くの間違いがある。

 まずは総務省だ。同省は旧自治省、旧郵政省、旧総務庁を統廃合した役所で、外局として郵政事業庁や消防庁などが設置された。このうち旧自治省は、その名の通り、もともと地方自治を所管する役所だったが、拙著『君は憲法第8章を読んだか』(小学館)で詳述したように、日本の地方に憲法上「自治」はなく、我々が「地方自治体」と呼んでいる都道府県や市区町村は、実際には立法・行政・司法の三権が与えられていない「地方公共団体」でしかない。それを所管する旧自治省が総務省に組み入れられた結果、いっそう地方自治はうやむやになってしまった。

 しかも、総務省とは別に「地方創生担当相」を新設し、屋上屋を架している。私は設置から4年経っても成果が出ていない地方創生担当相は廃止し、総務省を解体・分割して旧自治省の機能を拡充した役所を再び独立させるべきだと思う。

 その役目は地方が繁栄するために必要な政策の企画・立案だ。具体的には人口1000万人規模の「繁栄の単位」の設計である。なぜなら、いま世界で繁栄しているのは、中国の巨大な知識集約型IT都市・深センやアメリカのサンフランシスコ・ベイエリアなど人口1000万人規模の「メガシティ」「メガリージョン」だからである。

関連記事

トピックス

『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン