「観客動員が増え、グッズも売れる人気球団になった広島はもう“貧乏球団”ではない。ですが、マツダスタジアムは広島市の持ち物ですし、市民球団の本質はそのまま。黒字ですが、同族経営でもあるし、マネーゲームに消極的な姿勢はそう変わらない」(同前)
丸、松山に続き、来年は野村や名手・菊池涼介(28)、強打の捕手・會澤翼(30)が、翌年には菊池と二遊間を組む田中広輔(29)がFA権を取得する見込み。その次の年は大瀬良と中崎だ。広島OBの安仁屋宗八氏が不安を漏らす。
「この3年間の強さは、菊池、田中、丸のセンターラインの活躍が大きかった。広島は育成がうまいといっても、野手は育てるのに時間がかかる。守備の連携はもちろん、攻撃は足も絡んで覚えることが多い。野間のような若い選手がいるので丸だけなら穴は埋まるやろうが、菊池、田中と続いたら大変なことになる」
さらに、鈴木は巨人になじみ深い東京出身。ジョンソンも来年3年契約が最終年を迎える。金満球団の“草刈り場”となれば、今から3年後にはまた最下位争いをする未来もありえる。
広島人気を下支えしたカープ女子たちは、弱くなったチームに、変わらず黄色い声援を送ってくれるのだろうか。3連覇しながら広島が、“球界の盟主”となる将来を信じ切れないオールドファンも多い。
◆25年間の暗黒期