今、砂田実さんは87歳になった。これまでの経験を活かし、中高年世代が本当に楽しむことができるコンサートをプロデュースすることを始めた。
テレビの創成期から黄金時代を築いてきて、一から作る喜びを知っている人は、多くのものを失くしても、簡単には絶望しない。もう一度、一から作り上げていこうという胆力は今も現役である。かつて日本レコード大賞を国民的イベントに育てたように、再び、一発当てたいと野心をたぎらせているのだ。
どうせ一回だけの人生。いつかは死がやってくる。ハチャメチャに、おもしろく駆け抜けていけばいいのだ、と87歳のやんちゃ坊主はほくそ笑んだ。
●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。近著に、『人間の値打ち』『忖度バカ』。
※週刊ポスト2018年10月26日号