国内

千葉女児殺害・ベトナムのリンちゃん一家はなぜ日本に?

亡くなったベトナム人留学生や技能実習生の位牌が並ぶ仲、リンちゃんの遺影が飾られていた

 昨年3月、千葉県松戸市で小学3年生のベトナム国籍の9歳女児が失踪し、2日後に遺体で発見された。生前の少女の愛くるしい姿が報じられるや犯人への激しい怒りを招いたが、一方で被害者とその家族がなぜ日本で暮らしていたのか、という点については深く言及されることはなかった。これは、事件直後から現場で取材するノンフィクションライター・水谷竹秀氏によるレポートである。

 * * *
 夕暮れ時、中層ビルの中から私服姿の若い男女たちがぞろぞろと出てきた。その日の授業が終わって一息ついたのか、表情は皆、晴れやかで、ベトナム語やネパール語で談笑しながら、新松戸駅まで歩いて行く。その一団にいた、ホーチミン出身のグエン・チ・ハウさん(20)は来日2年目だ。留学の経緯を尋ねると、まだ覚束ない日本語で答えた。

「ベトナムにいる時から、テレビで日本のアニメを観ていたので、興味を持っていました。日本の文化やIT技術を勉強したいです」

 日本語の留学生にはごくありふれた返答だ。学費や留学斡旋手数料、渡航費などを含めると初年度には百数十万円という大金が必要だが、ハウさんは、両親が負担してくれたという。

「生活費はコンビニのバイトでやり繰りしています。習志野市に家賃6万円のアパートを借り、ベトナム人3人とシェアしています」

 ハウさん以外にも数人、ベトナム人留学生に話を聞いたが、留学費用に関しては皆、「親が負担してくれた」と口を揃えた。借金して来日し、その返済に追われてバイト漬けの日々を送る留学生もいると聞いていたため、こうもあっさり「親が負担」と答える彼らの涼しい顔には、少し拍子抜けしてしまった。

関連記事

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン