毅然とした態度で喪主挨拶をする美紀さん


◆明かされなかった最初の脳梗塞

 秀樹と美紀さんが出会ったのは、美紀さんが、大阪のコンサルタント会社に就職して5年目のことだった。下水道の設計を担当し、作業服やヘルメットでマンホールの中に入ることにも慣れてきたその年の秋、突然、父親に大阪にあるステーキハウスに連れて行かれた。そこで出会ったのが、当時、ドラマの撮影でたびたび大阪に足を運んでいた秀樹だった。美紀さんの父親は、そのステーキハウスを経営する秀樹の姉と親しかったこともあり、秀樹と美紀さんの知らないうちに“お見合い”が設定されていたのだ。

 45才のスターと28才のOLは、初対面ながら、年齢や生活環境の違いを感じさせないほど打ち解けた。

 初めてふたりきりで食事をする日。秀樹は美紀さんを家まで送るため、車を準備していた。ところが「送っていくよ」という申し出を美紀さんは断り、乗ってきた自転車で、颯爽と帰って行ってしまうのだ。

 その後もデートを重ね、出会いから約3か月後の2000年のクリスマスイブ、秀樹は美紀さんにこう告げた。

「きみと一緒に住みたい」

 さらに続ける。

「西城秀樹の妻じゃない。(本名の)木本龍雄の妻になってほしいんだ」

 ふたりは2001年5月7日に入籍し、6月30日に伊豆下田(静岡県)の白浜神社で結婚式を挙げた。新婚生活の真っただ中の2001年秋、小さな異変が起こる。

《仕事を終えて帰ってきた秀樹さんが、「なんか、ふらつくんだよね」と不調を訴えました。「しゃべりづらいような気もする」》(美紀さんの著書『蒼い空へ』より。以下《》内、同)

 病院へ行き検査を受けると緊急入院を余儀なくされた。病名は、脳梗塞。思わぬ宣告に驚愕したが、このときは1週間ほどの入院で事なきを得た。病名は対外的には「二次性多血症」と発表。“再発はない”そう思っていたからこその判断だった。

 さらにこの頃、美紀さんは長女を身ごもっていた。その年、秀樹は47才でパパになった。

 しかし、再発は起きた。2度目の脳梗塞が秀樹を襲ったのは2003年6月。韓国・済州島に滞在中のことだった。秀樹の症状は一度目のときとは比べものにならないほど重く、隠し通すことはできなかった。

 10日間の入院を終えて自宅に戻ると、秀樹はリハビリと同時に、8月半ばから1か月半続く公演のリハーサルを開始した。

 美紀さんと秀樹の二人三脚の闘病はここから始まった。新婚間もない上に、乳幼児2人を抱えて。美紀さんは明るく振る舞い、秀樹の食事のメニューを改善しながら、子供用の食事も作る。まるで3人の母になったような奮闘ぶりだった。

 2005年1月、第3子が誕生する。この頃の様子は著書にこうある。

《将来に対する不安よりも、秀樹さんと同じ、姉、兄、弟の3きょうだいになったことへの喜びへ目を向けていました。そこに希望を見出すことで、現実に立ち向かおうと自分を奮い立たせていたというか、そうでも思わないと押しつぶされてしまいそうでした》

(文中、敬称略)

※女性セブン2018年11月29日・12月6日号

関連記事

トピックス

70歳の誕生日を迎えた明石家さんま
《一時は「声が出てない」「聞き取れない」》明石家さんま、70歳の誕生日に3時間特番が放送 “限界説”はどこへ?今なお求められる背景
NEWSポストセブン
イスラエルとイランの紛争には最新兵器も(写真=AP/AFLO)
イスラエルとの紛争で注目されるイランのドローン技術 これまでの軍事の常識が通用しない“ゲームチェンジャー”と言われる航空機タイプの無人機も
週刊ポスト
一家の大黒柱として弟2人を支えてきた横山裕
「3人そろって隠れ家寿司屋に…」SUPER EIGHT・横山裕、取材班が目撃した“兄弟愛” と“一家の大黒柱”エピソード「弟の大学費用も全部出した」
NEWSポストセブン
ノーヘルで自転車を立ち漕ぎする悠仁さま
《立ち漕ぎで疾走》キャンパスで悠仁さまが“ノーヘル自転車運転” 目撃者は「すぐ後ろからSPたちが自転車で追いかける姿が新鮮でした」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《模擬店では「ベビー核テラ」を販売》「悠仁さまを話題作りの道具にしてはいけない!」筑波大の学園祭で巻き起こった“議論”と“ご学友たちの思いやり”
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン
5月6日、ニューメキシコ州で麻薬取締局と地区連邦検事局が数百万錠のフェンタニル錠剤と400万ドルを押収したとボンディ司法長官(右)が発表した(EPA=時事)
《衝撃報道》合成麻薬「フェンタニル」が名古屋を拠点にアメリカに密輸か 日本でも薬物汚染広がる可能性、中毒者の目撃情報も飛び交う
NEWSポストセブン
カトパンこと加藤綾子アナ
《慶應卒イケメン2代目の会社で“陳列を強制”か》加藤綾子アナ『ロピア』社長夫人として2年半ぶりテレビ復帰明けで“思わぬ逆風”
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《2人で滑れて幸せだった》SNS更新続ける浅田真央と2週間沈黙を貫いた村上佳菜子…“断絶”報道も「姉であり親友であり尊敬する人」への想い
NEWSポストセブン
ピンク色のシンプルなTシャツに黒のパンツ、足元はスニーカーというラフな格好
高岡早紀(52)夜の港区で見せた圧巻のすっぴん美肌 衰え知らずの美貌を支える「2時間の鬼トレーニング」とは
NEWSポストセブン