今の韓国大法院の金命洙長官を指名したのは文大統領だから、今回の判決に日本を“敵視”する文大統領の意思が働いたことは間違いないが、韓国は「国際法や国際条約を蔑ろにする国」だと自ら白日の下にさらしたようなものである。

 トランプ大統領と文大統領の独善的な外交によって、日米韓の結束はバラバラになりつつある。米中対立の余波で日中関係が改善に向かうと見る向きもあるが、まだまだ中国の立ち位置は信用できるほどには安定していない。ここで日本は、あらためて自国の地政学的な位置を見つめ直し、新たな太平洋・極東アジアの外交および安全保障政策を根本から練り直すべきだろう。

※週刊ポスト2018年11月30日号

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