ちなみにその“事件”が起きたのは、彼の人気が絶頂だった80年代のこと。現場の風景を思い浮かべるだけでも頬が緩むようなエピソードだが、スーパースターというものは必ず“アンチ”がいるものだ。ところが西城さんに関しては、不思議なことにそういった声が生前からまったく聞こえてこなかった。これはなぜなのか? 

 ベテランの芸能ライター・石田春男氏はこのように分析する。

「理由はいくつも考えられますが、1つあげれば、私は“ツッコミどころ”があったからだと思います。西城さんはタイプで言えば完全な二枚目で歌唱力は抜群。かつて開催されていた芸能人運動会でもヒーローでした。人間という生き物は、それが男性であれ女性であれ、完璧な人には反発を抱くものです。

 しかし西城さんは、『ヒデキ、感激!』というお茶目なせりふが話題を呼んだバーモントカレーのCMで、お茶の間のハートをがっちり掴み、『傷だらけのローラ』に代表される“アツすぎる歌い方”も、どこかコミカルな要素がありました。さらに、水泳大会で見せる“へそ毛”がいつしか『ギャランドゥ』と呼ばれるようになり、モノマネの格好のネタになったものの、それに目くじらを立てるようなことは一切しませんでした。そういった姿勢が高い好感度につながり、誰からも愛される存在になったのだと思います」(石田氏)

 先日亡くなったさくらももこさんも西城さんが大好きで、作中にたびたび西城さんを登場させ、ついにはアニメ『ちびまる子ちゃん』のエンディングテーマを歌ったのは有名な話。平成も終りが近づいたが、次の時代には果たして西城さんのような「誰からも愛されるスター」は登場するのだろうか。

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