国内

渡辺恒雄氏 なぜ一介の番記者から総理動かす政治力持ったか

なぜ権力者が彼を頼るのか(時事通信フォト)

 この人物の“長き不在”が永田町に大きな波紋を広げている。「ナベツネ」こと渡辺恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役主筆(92)だ。

 言論人ながら自自連立や自民党と民主党の大連立構想などを仕掛け、昭和から平成までこの国の政治の舞台回しを担ってきた。

 さる8月中旬に自宅で転倒して頸椎の一部を骨折、現在は都内の病院で「リハビリ中」とされるが、3か月経っても動静が伝わっていないことから、健康不安説が消えない。

「原辰徳氏の巨人軍監督再就任に際し、あの巨人愛の強いナベツネさんから一言もコメントが出ないのは異例です。11月16日の夜には、容体急変の情報がメディア界を駆け巡り、入院先の病院に報道陣が集まる事態もありました。このまま表舞台に出ないとなると、大げさでなく日本にとって“一つの時代”が終わることになる」(全国紙政治部記者)

 渡辺氏はホテルオークラの料亭『山里』で定期的に行なわれるベテラン評論家と政治家との会合「山里会」を主宰し、売り出し中の政治家も「席に呼ばれたらようやく一人前」といわれる。「山里会」常連メンバーの評論家・屋山太郎氏が語る。

「記者の枠を超えた人です。組閣や自民党役員人事に力を持ち、何人もの政治家が『入閣させてほしい』とナベさんに頼みに来る。政治家がへりくだる人でした」

 安倍晋三・首相や菅義偉・官房長官でさえも“ひよっこ”扱いで、定期的に“ご高説”を賜るために席を設けていたといわれる。

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