来季、一番心配なのは投手です。先発が菅野智之しかいない。彼は絶対的なエースだが、毎日投げるわけにはいきません。補強ならまず投手を補うべきだった。
オリックスからFA宣言した西勇輝や自由契約になった金子千尋に手を挙げるのかと思ったが動かなかった。投打のバランスが悪いままなら、まず勝てません。
外国人選手はギャンブルです。パドレスで20本塁打のビヤヌエバを獲得しましたが、日本の野球に合うかはやってみないと分かりません。私の時には新外国人のミセリが開幕戦でリリーフに失敗。4連敗してチームがおかしくなった。投手は投球を見れば実力がわかるので、優秀なリリーフを獲得することに力を入れるべきです。
──投手陣への心配はほかにもある。自身がかつて背負ったエースナンバー、18を菅野が継ぐことだ。
これは菅野にとって冒険です。巨人で結果を出さないといけないのは18番だけというぐらいこの番号は重く、勝てないと批判される。巨人は18番がマウンドで相手をねじ伏せてこそチームに勢いが出る。18番が勝つと1勝が2勝にも3勝にも感じる。プレッシャーはあるでしょうが、菅野にはその期待に応えてもらいたい。
──堀内氏は最後にこう巨人のFA戦略を総括する。
結局、FAは若手を育てるまでの時間稼ぎでしかない。そういう意味でFAを活用するならいいんですが、FA選手と長期契約を結んで何年も主力で働いてもらおうとするから若手が育つ土壌がなくなってしまう。今の巨人は私が引き継いだ時より若手が育っているだけに状態はいいと思う。それだけに若い芽を摘むようなことだけはしちゃいけない。背番号を炭谷に奪われた宇佐見がやる気になってくれることを期待したいね。
※週刊ポスト2018年12月14日号