配信番組は、時間的な制限がないことがメリット。面白いシーンがあれば全てを収録できる。だからといって、シーズン6の撮れ高が少なかったと読むのは答えを急ぎすぎる。テンポの良い編集を心がけた結果、こうなった可能性もある。

 そして、シーズン6は女性芸人にスポットライトが当てられた回でもあった。これまでもシーズン2の大島美幸(森三中)、シーズン4の黒沢かずこ(森三中)と『ドキュメンタル』に参加した女性芸人はいる。しかし、男性芸人9人に対しての1人であった。

 シーズン6に出演した芸人は下記のメンツ。

 村上ショージ、ジミー大西、藤本敏史(FUJIWARA)、陣内智則、黒沢かずこ(森三中)、大悟(千鳥)、友近、近藤春菜(ハリセンボン)、真栄田賢(スリムクラブ)、ゆりやんレトリィバァ。4/10が女性芸人という異例の比率となった。100%吉本クリエティブエージェンシー所属の芸人という座組みでもある。これはシーズン1以来だ。

 吉本は全国に10を超える劇場を持つ。その楽屋は芸人独自のコミュニティスペースとなっており、先輩と後輩の社交場となっている。そこで先輩は後輩を従え、また後輩は先輩から芸を盗む。そもそも『ドキュメンタル』自体がその楽屋でのやりとりの近いと思われるが、今回はその傾向が顕著に出た。

 芸人が素人を笑わせるのが普通の番組ならば、『ドキュメンタル』はプロがプロを笑わせる番組。よって質が異なることは必然で、そこには視聴者が理解できない“笑い”も存在する。そこで「自分には分からない!」と無下にすれば『ドキュメンタル』は、途端につまらないコンテンツとなるだろう。「自分は笑えなかったが、芸人はなぜ笑ったのか」と妄想しつつ、業界の楽しみの“おこぼれ”をいただく感じで鑑賞するのが吉。

 しかし、シーズン6はその”おこぼれ”が極端に少なかった。そう、師匠・友近と弟子・ゆりやんが楽屋で磨いてきた憑依芸が火を噴いた。

 それぞれがキャラになりきることもあれば、部屋にあるキッチンをスナックと想定し、友近がママ、ゆりやんがバイトに扮したシーンも。2人のタッグによって、芸人が続々と笑う。もちろん、笑いの文脈は理解できるのだが、そのターンが長すぎる。配信時間200分中、計10回を超える2人による“憑依芸”が披露された。

 目の前にいる芸人を笑わせることが『ドキュメンタル』である。しかし、カメラの向こう側には視聴者がいることも少しは考えて欲しい。特に、自身の持ちネタをぶっこみ続けるゆりやんには辟易としてしまった。

 松本も参加芸人の紹介パートでゆりやんのことを「自分のことしか考えていない」と評していた。それがネタならば独自性もあって良い結果が出るだろう。だが、『ドキュメンタル』はネタ番組ではない。バナーにも書かれているが“異種総合笑わせ合いバトル”、異なった芸風を持つ芸人がぶつかり合うリングだ。

関連記事

トピックス

オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン