【2位】柳井正(69・ファーストリテイリング会長)
孫氏との親交が深い柳井氏もまた「世界と戦う経営者」との評が多かった。
「ユニクロ(UNIQLO)ブランドで中国はじめ各国の市場に進出し、山口県のローカル企業を世界的大企業に押し上げた。全世界同一賃金を提唱するなど、21世紀の日本企業が進む道を示した」(エコノミスト・田代秀敏氏)
その独創性は、企画から製造販売までの機能を垂直統合したSPA(製造小売業)のビジネスモデルだ。
「柳井氏はSPAを他社に先駆けて日本に持ちこみ、高品質なカジュアルウエアを圧倒的な低価格で提供することに成功した。今やこのモデルを導入して成功を収めている日本企業は数多い。新たな市場を創造した」(経済ジャーナリスト・片山修氏)
柳井氏の成長戦略は常に進化を続ける。従来の製造・小売に加え、ITを取り入れて顧客と店舗をつなげる「情報製造小売業」への脱皮を目指している。
「情報製造小売業の実現に向け、Googleとの協業を強化したのは、アマゾンに対抗できる日本で数少ない企業としてユニクロを成長させようという気概を感じる」(ジャーナリスト・星野陽平氏)
【3位】稲盛和夫(86・京セラ名誉会長)
京セラ、第二電電(現・KDDI)を創業。
「起業家かくあるべしという生きた模範。経営実績、次世代への影響力、社会貢献、どれをとっても世界に誇れる『平成の経営の神様』でしょう」(作家・北康利氏)
稲盛氏が編み出した経営システム「アメーバ経営」は、「今なお、素人にも収益管理の大切さを分かり易く理解させるツールとして秀逸」(経済ジャーナリスト・町田徹氏)と高く評価され、「経営危機に陥った日本航空再建を無報酬で引き受け、見事に再建すると経営から手を引いた」(埼玉学園大学教授・相澤幸悦氏)と企業再建の手腕に注目する指摘もあった。
稲盛財団が創設した『京都賞』はノーベル賞受賞者を8人輩出するなど国際賞として権威を持つ。