次の日本一となる1989年には、中日から移籍してきた捕手の中尾孝義が強気のリードでチームに刺激を与え、簑田浩二や津末英明が要所でベテランの味を見せた。近鉄との日本シリーズでは、3連敗した後の第4戦、1番に抜擢された簑田浩二が二塁打で出塁し、先制のホームを踏んだ。これで流れを掴んだ巨人が4連勝して逆転の日本一を勝ち取った。

 原辰徳のコーチ時代に2年目となった2000年には、控えに回っていた川相昌弘の職人技も光った。2勝2敗のタイで迎えたダイエーとの日本シリーズ第5戦、4対0とリードした8回表無死一塁、二塁で、5番のマルティネスに代わって登場。確実に送らなければならない場面で、きっちりバントを決め、続く高橋由伸がダメ押しの2点タイムリーを放った。松井秀喜や清原和博などの大砲ばかりが注目される中で、小技の効くベテランは日本一を手繰り寄せるために欠かせない戦力だった。

「シーズンを通しての成績で突出しなくても、ここぞの場面でベテランの力は必ず役に立ちます。中尾や簑田は移籍組でしたが、当時の巨人は生え抜きばかりでしたから、彼らが良い刺激となったのは間違いありません。チームに1番大事なのはバランスです。今の巨人は移籍組があまりに多く、今季の外野陣は元広島の丸、元日本ハムの陽岱鋼、元中日のゲレーロと“外様組”で占められる可能性も十分ある」

 バランスを考えると、生え抜きのベテランの離脱は痛い。

「長野や内海が残留していても全盛期ほどの活躍は望めないかもしれません。しかし、優勝を目指す中で、欠かせない存在だったこともまた事実。長野が抜けたことで、30代後半で生え抜きのベテラン野手は開幕前の3月に不惑を迎える阿部慎之助と7月に37歳となる亀井善行の2人となった。

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