国内

水道民営化と関空タンカー事故を外国に売り渡した謎の補佐官

「民営化」が仇に?(共同通信社)

 日本の水道や空港を外資に”開放”する──生活に密着したインフラの民営化は、重大な国家政策の転換点だ。だが、かつての郵政民営化のような国を二分しての議論が起きないまま、それらの法改正はあっさりと、そして次々と決まっていった。そこには、仕掛け人たちの周到な計画があった。『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』『地面師』などの話題作を連発するノンフィクション作家の森功氏が”国家の盲点”を抉り出す。

 * * *
 コンセッション方式による民営化──。そんな言葉を昨年秋の臨時国会あたりから、しばしば耳にするようになった。民間の資金やノウハウを活用して公共施設の建設や維持管理、運営をするPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)の一種とされる。

 PFIは古く1999年、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)として、施行されてきたが、なかなか使い勝手が悪く浸透しなかった。

 そこで、2011年の法改正で、公共施設の運営を長期間民間企業に任せるコンセッション方式が導入された。コンセッションを単純に直訳すれば「譲歩」「譲与」。平たくいえば、公共団体の所有する施設の「運営権」を民間に販売し、利益の一部をバックさせて赤字経営を建てなおす手法だ。企業と30~50年の長期の契約をし、公共インフラの経営を任せる民営化事業である。

 民間企業がこれまで都道府県や市町村の手掛けてきた水道料金の徴収をすることになる。政府は先の臨時国会でそのコンセッション導入のために必要な水道法の改正に踏み切った。水道事業がにわかに注目されてきた。

「世界の水道事業は水メジャーと呼ばれる仏の『スエズ・エンバイロメント』や『ヴェオリア・ウォーター』、英の『テムズ・ウォーター』の3社が支配している。民営化すれば、そこに日本も牛耳られる」

 そんなドメスティックな心配を始め、反対の声があがった。民営化の進む欧州では民営化の失敗も目立っているため、野党はそこを突いた。

関連記事

トピックス

不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン
国民民主党から参院選比例代表に立候補することに関して記者会見する山尾志桜里元衆院議員。自身の疑惑などについても釈明した(時事通信フォト)
《国民民主党の支持率急落》山尾志桜里氏の公認取り消し騒動で露呈した玉木雄一郎代表の「キョロ充」ぷり 公認候補には「汚物まみれの4人衆」との酷評も出る
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
発見場所となったのはJR大宮駅から2.5キロほど離れた場所に位置するマンション
「短髪の歌舞伎役者みたいな爽やかなイケメンで、優しくて…」知人が証言した頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の“意外な素顔”と一家を襲った“悲劇”《さいたま市》
NEWSポストセブン
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン