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2019.01.12 07:00  週刊ポスト

水道民営化と関空タンカー事故を外国に売り渡した謎の補佐官

「(国交省)大阪航空局が関係者連絡会議を開き、状況を整理して官邸にレポートしていました。そこで官邸側から『何、まごまごやってるんだ』という指示が飛んできたと聞いています。それを総理の発言が後押しした格好で、総理が言っているのに何やっているんだというシグナルのようなものでしょう」(同前)

 実は9月6日にも新千歳空港発の1便を関空に着陸させる計画だった。だが、同日に発生した北海道地震でそれを断念し、7日からの2期島滑走路の運航となったという。7日にはピーチの17便に加え、JALも2便が飛んだ。

 むろん1期島の滑走路や鉄道の復旧には時間を要したが、台風被害から3日目の空港再開については、まずまず評価が高い。しかし、それは民営化された関空エアポートが主導した作業ではない。関係者たちにとっては、むしろ足を引っ張られたというのが実感だという。

「災害対策を通じてわかったのは、日本のオリックスと外資のヴァンシの覇権争い。それは好きにしてくれていいけど、挙げ句、経営陣とこれまで働いてきた空港の専門スタッフとの意思疎通がまったくできてない。空港運営現場のリアリティを感じないのです」(同前)

 台風から3か月半経って災害レポートを発表した関空エアポート専務の西尾裕はこう言った。

「今度のレポートは最終形態の形をとっていますが、対策の詳細はこれから詰めていきます。最初に発表した滞留者の3000人は職員の目視で推計したものであり、8000人の内訳については調べていません」

 本格的な空港コンセッションの第一号事案として、インバウンド効果の強烈なフォローのおかげでようやく利益を出せるようになった関空。もとはといえば、官房長官補佐官に就任する前、福田が大阪府知事だった橋下徹にコンセッションの導入を働きかけて実現したものだ。そこから福田は補佐官として全国の空港民営化、さらに水道へと手を広げてきた。

 だが、民営化は魔法の杖ではない。赤字の公共事業に明るい未来が開けるわけでもない。

(敬称略、以下次号)

●もり・いさお/1961年福岡県生まれ。岡山大学文学部卒。新潮社勤務などを経て2003年よりフリーに。2018年、『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』(文藝春秋)で「大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション」大賞を受賞。近著に『地面師』(講談社)。

※週刊ポスト2019年1月18・25日号

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