交通インフラである空港には、利便性や安全性が不可欠だが、被災した道路や鉄道をいかに迅速に復旧できるかが重要なポイントでもある。先の航空会社役員が言う。

「ところが、関空は当初、1週間は空港を閉鎖すると言っていたのです。たしかに飛行機を飛ばさなければ、事故は起きないし、混乱は避けられます。が、それでは空港がなくてもいいという話。

 実は1期島の滑走路はすぐには使えませんでしたが、2期島の滑走路は1期島に比べると3.5メートルくらい地盤がかさ上げされているので、浸水もほとんどしてない。台風の翌日にでも飛行機を飛ばせる状態だったし、実際、LCC(格安航空会社)のピーチなどはそう主張していました。でも、ターミナルのトイレが壊れているとか、ガスがまだ来ていないとか、四の五の理由をつけて再開しようとしなかったのです」

 空港を所管する国交省も早期の復旧を求めたが、民営化されている以上、強制はできない。台風当日の4日から5日にかけ空港再開の議論はあったが、コンセッション方式では、あくまで民間企業が空港運営を担うため、所管する大阪航空局でも従わざるを得ないのだという。

 ところが6日朝になると、事態が動いた。先の航空会社役員が続ける。

「安倍(晋三)総理が、関空は明日から再開すると非常災害対策本部会議でぶち上げたのです。われわれも驚きましたが、あとから聞くと、国交省から第二滑走路は大丈夫だと情報があがっていて、それを受けた総理が会議で話したようなのです。台風から丸一日以上経っても、関西エアポートが全然動かないのでね」

 内閣危機管理監の高橋清孝から台風被害の報告を受けた首相の安倍と官房長官の菅義偉は、首相補佐官の和泉洋人に指揮を任せた。和泉は国交省と連携をとり、対策チームをつくったとされる。

 そうなると、当初空港の再開を渋っていた関空も従わざるをえない。

関連記事

トピックス

10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
ヒグマが自動車事故と同等の力で夫の皮膚や体内組織を損傷…60代夫婦が「熊の通り道」で直面した“衝撃の恐怖体験”《2000年代に発生したクマ被害》
NEWSポストセブン
対談を行った歌人の俵万智さんと動物言語学者の鈴木俊貴さん
歌人・俵万智さんと「鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴さんが送る令和の子どもたちへメッセージ「体験を言葉で振り返る時間こそが人間のいとなみ」【特別対談】
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン