昨年、リゾート近くの墓地を購入したという70代の女性は、「夫婦の思い出の地でもある三浦半島(神奈川)で、富士山と海を望むロケーションの霊園を、ペットも一緒に入れる終の棲家として購入しました。子供たちが墓参りを兼ねて三浦半島に遊びに来てくれて、時々思い出してもらえたら、家族のつながりも強くなります」と喜んでいた。
また、居住地と離れた場所に昨年12月に墓地を購入した60代の男性は、「北海道とラベンダーが大好きで、若い頃は何度も旅行に出かけていました。北海道に知り合いはいませんが、自分はここに眠りたいと思っていたので、念願が叶いました」と語る。この男性のように、自分が入ることを想定して探す人が大半だという。
「生前に自分や家族が入るための墓を建てることを寿陵(生前墓)といい、寿命を永らえるという意味があり縁起がいい。墓は非課税財産なので、購入費を現金で残すより、相続税の節税になります。それに、時間的な制約がないため、納得いくまで探せるのも魅力ですね」(田中さん)
忙しい現代は、盆暮れやお彼岸などの行楽シーズンを利用して、墓参りをする人も増えている。
旅行やレジャーも楽しめる「リゾート葬」は、故人にも、残された家族にも心地よい場所になり得る。お墓選びの新たな選択肢として、今後も注目されそうだ。
【※人気のリゾート気分が満喫できる霊園6】
【温泉】
◆湯河原吉祥公園墓地(神奈川県湯河原町)
相模湾の大パノラマを一望できる公園墓地。温泉地にあり、故人を思いつつ日頃の疲れも癒せる。総檜のホールでは、コンサートなどの催しも。
住所:神奈川県足柄下郡湯河原町吉浜1967-13 宗教不問
価格:一般墓101万9240円(0.56平方メートル)~、花壇墓所196万3920円~、ぺット埋葬可