「金が無い時は、闇仕事アカウントに連絡して、受け出し(受け子や出し子)メインでサクッと稼ぐ。受け出しに人が必要なら、自分が”高額バイトあります”のアカウント作って募集する」(ユウイチさん)

 こうなると、もはや誰が指示役で誰が末端なのか、よくわからなくなってくる。一見、末端部がさらに下請けに詐欺の現場仕事をふっているという風にも見えるが、一件の詐欺に一体どれだけの人間が関わっているのか誰も知らないし、指示を出してきた組織に金を持ち込む方法も、手渡しや口座への振込、あるいは電子マネー化して、仮想通貨に変えて…と多岐にわたる。本物の詐欺の指示役にとってみれば、この複雑化は歓迎するべきことに他ならない。末端が逮捕されたところで、指令を出している自分にたどり着かれる恐れが低くなるからだ。他方、複雑化したことによって、詐欺グループ内でのトラブルも起きやすくなる。

「江東区の詐欺犯がネット上で晒されていましたけど、詐欺に関わる人間が多ければ多いほど、持ち逃げバックレは結構ありますね。保証金だけとって逃げるニセの裏仕事屋までいる。もうわけわかんないっすよ。今オレオレの出し受けやってる連中は、結構全国を転々としてる。各地で詐欺やって、知り合ったチンピラとかと仲良くなって、飲み屋でヤクザの名前を騙って好き放題やるんすよ。半グレよりバカで、何も考えてない。そりゃ勢いで殺しとかやっちゃうんでしょうね。“裏仕事”といえば詐欺関連ばかりでしたが、最近は泥棒とか、借金の取り立てとかも募集あるっすね。そういうのっていいカネ(報酬)出されるから、マジでやっちゃう奴いんのかな?なんて思ってましたけどね、いるんすね」(ユウイチさん)

 殺人事件が起き、ついに来るところまで来た「オレオレ詐欺」。警察当局も、これまでに無いほどの厳戒態勢で詐欺師の検挙に力を入れているが、やっと「詐欺師たちの春」に終焉の兆しが見えるのか、それともさらに酷い事件が発生するのか。筆者には予想もつかない。

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン