「金が無い時は、闇仕事アカウントに連絡して、受け出し(受け子や出し子)メインでサクッと稼ぐ。受け出しに人が必要なら、自分が”高額バイトあります”のアカウント作って募集する」(ユウイチさん)

 こうなると、もはや誰が指示役で誰が末端なのか、よくわからなくなってくる。一見、末端部がさらに下請けに詐欺の現場仕事をふっているという風にも見えるが、一件の詐欺に一体どれだけの人間が関わっているのか誰も知らないし、指示を出してきた組織に金を持ち込む方法も、手渡しや口座への振込、あるいは電子マネー化して、仮想通貨に変えて…と多岐にわたる。本物の詐欺の指示役にとってみれば、この複雑化は歓迎するべきことに他ならない。末端が逮捕されたところで、指令を出している自分にたどり着かれる恐れが低くなるからだ。他方、複雑化したことによって、詐欺グループ内でのトラブルも起きやすくなる。

「江東区の詐欺犯がネット上で晒されていましたけど、詐欺に関わる人間が多ければ多いほど、持ち逃げバックレは結構ありますね。保証金だけとって逃げるニセの裏仕事屋までいる。もうわけわかんないっすよ。今オレオレの出し受けやってる連中は、結構全国を転々としてる。各地で詐欺やって、知り合ったチンピラとかと仲良くなって、飲み屋でヤクザの名前を騙って好き放題やるんすよ。半グレよりバカで、何も考えてない。そりゃ勢いで殺しとかやっちゃうんでしょうね。“裏仕事”といえば詐欺関連ばかりでしたが、最近は泥棒とか、借金の取り立てとかも募集あるっすね。そういうのっていいカネ(報酬)出されるから、マジでやっちゃう奴いんのかな?なんて思ってましたけどね、いるんすね」(ユウイチさん)

 殺人事件が起き、ついに来るところまで来た「オレオレ詐欺」。警察当局も、これまでに無いほどの厳戒態勢で詐欺師の検挙に力を入れているが、やっと「詐欺師たちの春」に終焉の兆しが見えるのか、それともさらに酷い事件が発生するのか。筆者には予想もつかない。

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