国内

御代がわり、退位から即位までの約17時間は「空位」なのか?

2019年1月、新年を迎えられた天皇ご一家(写真/宮内庁提供)

「それぞれの花を大きく咲かせることができる日本でありたい、そうした願いを込め、『令和』にいたしました」

 4月1日、安倍晋三首相は、新元号「令和」に込めた意味をこう述べた。

 5月1日、新しい「令和の時代」が幕を開ける。天皇陛下のご退位と、皇太子さまの新天皇ご即位に関連し、重要な儀式・行事が目白押しだ。

 崩御以外での天皇の御代がわりは、江戸時代の光格天皇以来、実に約200年ぶりで、現憲法下でははじめてのことだけに、儀式の内容やその様子は前例のないものになりそうだ。

◆天皇陛下「最後のおことば」と新天皇「最初のおことば」の中身

 目前に迫るのが、天皇陛下の最後の儀式であり、憲政史上初の儀式である「退位礼正殿の儀」。4月30日の夕方5時から行われ、この儀式をもって陛下は退位される。

 注目が集まるのが、陛下の最後の「おことば」だ。退位特例法に基づき、安倍首相が陛下に感謝の言葉を伝えた後、陛下がおことばを述べられる。一体何を話されるのか。皇室ジャーナリストの神田秀一さんが話す。

「平成の世の締めくくりとして、3つの点をお伝えになられると思います。1つ目は戦争のない30年を振り返られること。2つ目は新天皇の即位後は権威の二重性が生じないように決して院政をしくようなことはしないこと。3つ目は、新天皇には、国民統合の象徴として国民とともに新たな時代を築いてほしいというようなことをおっしゃると思います」

 神道学者で皇室研究者の高森明勅さんの見方はこうだ。

「退位礼正殿の儀は、内閣が主導し、責任を負う国事行為です。その行事に、どれだけ陛下のご本心が盛り込まれるかが注目点です。

 退位のご意向を示された2016年8月のビデオメッセージや、昨年の誕生日のおことばのように、『全身全霊で務めを果たせたのは国民の支えがあったから』という趣旨のことを述べられるのではないでしょうか」

 陛下の万感の思いが込められたおことばは、テレビ中継が検討されている。

 新天皇が即位されて最初の「おことば」にも注目が集まる。翌5月1日に行われる「剣璽等承継の儀」では、新天皇が、皇位のしるしとして代々伝わる「三種の神器」の剣と勾玉、および、国家と天皇の印鑑である国璽と御璽を承継される。その後、約10分間行われる「即位後朝見の儀」で、新天皇が第一声を発せられる。まず新天皇のおことばがあり、その後、首相の「奉答」が続く。

 平成の御代がわりの時の陛下のおことばは約2分間で、次の一節で締めくくられた。

《みなさん(国民)とともに日本国憲法を守り、国運の一層の進展と世界の平和、人類福祉の増進を切に希望してやみません》

「表現は変えても、基本的な心構えは同じでしょう。新天皇の第一声は、前回を踏襲した内容になるとみられます」(神田さん)

関連記事

トピックス

小島瑠璃子(時事通信フォト)
《亡き夫の“遺産”と向き合う》小島瑠璃子、サウナ事業を継ぎながら歩む「女性社長」「母」としての道…芸能界復帰にも“後ろ向きではない”との証言も
NEWSポストセブン
会見で出場辞退を発表した広陵高校・堀正和校長
《海外でも”いじめスキャンダル”と波紋》広陵高校「説明会で質問なし」に見え隠れする「進路問題」 ”監督の思し召し”が進学先まで左右する強豪校の実態「有力大学の推薦枠は完全な椅子取りゲーム」 
NEWSポストセブン
起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
日本体操協会・新体操部門の強化本部長、村田由香里氏(時事通信フォト)
新体操フェアリージャパンのパワハラ問題 日本体操協会「第三者機関による評価報告」が“非公表”の不可解 スポーツ庁も「一般論として外部への公表をするよう示してきた」と指摘
NEWSポストセブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
代理人・バレロ氏(右)には大谷翔平も信頼を寄せている(時事通信フォト)
大谷翔平が巻き込まれた「豪華ハワイ別荘」訴訟トラブル ビッグビジネスに走る代理人・バレロ氏の“魂胆”と大谷が“絶大なる信頼”を置く理由
週刊ポスト
お仏壇のはせがわ2代目しあわせ少女の
《おててのシワとシワを合わせて、な~む~》当時5歳の少女本人が明かしたCM出演オーディションを受けた意外な理由、思春期には「“仏壇”というあだ名で冷やかされ…」
NEWSポストセブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
NEWSポストセブン