国内

新天皇の最初の儀式・剣璽等承継の儀 女性皇族は参列できず

2018年9月、九州北部豪雨の被災者にお言葉をかけられる皇太子ご夫妻(共同通信社)

 新元号「令和」も発表され、いよいよ迫ってきた皇位継承の時。4月30日に現在の天皇陛下が退位され、5月1日から新天皇が即位する。

◆「剣璽等承継の儀」女性閣僚はOKなのに女性皇族は参列できない

 新天皇が最初に臨む儀式である『剣璽等承継の儀』は、「御代がわりで最も重要な儀式」という。神道学者で皇室研究者の高森明勅さんが話す。

「皇位のしるしとして、神聖なものである三種の神器を受け継いだことを公に示す剣璽等承継の儀は、昭和天皇が崩御され、悲しみの中でも3時間半後に行わなければならなかったほど、重要な儀式です」

 この儀式に参列できる皇族は、成年男性皇族のみだ。今回なら常陸宮さまと秋篠宮さまの2人で、皇位継承権のない女性皇族は立ち会われない。

「それは、明治時代の旧皇室典範に付属した『登極令』に盛り込まれた『女性皇族の排除』を踏襲しているからです。現代の国民感覚からはずれていると思います」(高森さん)

 政府は今回、片山さつき地方創生担当相など、女性閣僚の参列は認めた。儀式の模様が世界中に報じられる際、“男女不平等”と評価されかねないことを避けるための措置のようだ。京都産業大学名誉教授の所功さんは指摘する。

「現在の皇后さま、女性皇族方も、天皇のお務めを一部分担、代行される重要なお立場です。今後、重要な儀式にはお出になられるように検討するべきでしょう」

◆「雅子新皇后」の正式な初お目見えは「即位後朝見の儀」

 そうした状況から、5月1日の剣璽等承継の儀には雅子新皇后は参列されない。その姿を見られるのは、同日の「即位後朝見の儀」になりそうだ。その後、5月4日の一般参賀で新両陛下が並ばれる初のお目見えとなる。では、新皇后としての「おことば」はいつか。

「即位後朝見の儀でも一般参賀でも、特別な配慮がない限り、雅子さまのお言葉を聞ける可能性は低いでしょう。10月22日の『即位礼正殿の儀』でも、皇后のお言葉を聞く機会は考えられません。となると、12月の雅子さまのお誕生日までそのタイミングはないかもしれません」(高森さん)

 儀式の最中で雅子さまの体調が悪化し、途中退席されるようなことは避けたい。そのため、万全の注意が払われ、式典の前後では皇室行事を簡素化。10月のパレード(祝賀御列の儀)後の「饗宴の儀」も、前回の計7回から、今回は4回に縮小される見込みだ。

「雅子さまのお誕生日のメッセージの分量は年々増えています。ご病気の発表後、短い文章でご自身の体調や愛子さまのことなど身近な話題ばかりだったのが、国内や世界のことなどに言及されるようになりました。メッセージだけを拝見していても、快復されていることがわかります」(高森さん)

※女性セブン2019年4月18日号

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン