1992年来日のペルーのフジモリ大統領は両陛下に「獣毛壁掛け」や「純銀製食器」をプレゼントした。ロシアのエリツィン大統領からは「大理石の置物」、中国の江沢民総書記からは「地震計」を贈られたが、それらは氷山の一角。御所の中の倉庫は、さながら「世界の博覧会」なのだ。それらのお荷物をすべて、御所よりもはるかに狭い高輪皇族邸にお持ちになるのは不可能だ。
「そもそも高輪皇族邸は仮住まいであって、改修工事が終われば仙洞御所に再度お引っ越しされるので、まずは身の回りの生活に必要なものだけを高輪皇族邸に移される段取りになりそうです。
◆前回のお引越しの時はどうだったか
職員が頭を悩ませたのは海外賓客からのプレゼントなどの運び先です。一時は葉山御用邸(神奈川県)に運び込む案も検討されましたが、赤坂御用地内に建設する収蔵庫棟に運ばれることになりそうです」(前出・宮内庁関係者)
お引っ越し準備といっても、もちろん両陛下が自ら段ボール箱に詰めるわけではない。ただ、両陛下の判断を仰がない限りは、たとえばどの洋服やアクセサリーを高輪皇族邸にお持ちになるか、職員が勝手に決められるものでもない。
「ご公務は格段に減るので、美智子さまのお召し物にしても、必要度の低いものはそれなりに“断捨離”されることになりそうですが、退位後しばらくして落ち着いてからでないと整理に手を付けられないでしょう。
他にも、陛下のハゼの研究のための顕微鏡やプレパラート、美智子さまが弾かれるグランドピアノやハープなど、どれを仮住まいにお持ちになるのか、リストアップもまだまだ先になりそうです」(前出・宮内庁関係者)
御所には、新天皇に即位された皇太子さまご一家が引っ越されるが、その前に改修工事が行われる。両陛下のお引っ越しが終わらないと、リフォームの工事も始まらないので、そうごゆっくりもされていられなさそうだ。
「平成5年に赤坂御所から皇居・御所にお引っ越しされた際は、両陛下が葉山御用邸でご静養されたタイミングで荷物を運び、御所に移られました。今回も、夏の那須御用邸(栃木県)でのご静養に出られている間に荷物を運び、高輪皇族邸に戻られるといった計画が立てられるのではないでしょうか。
美智子さまは思慮深い方ですが、物事をお決めになられる時の判断力は鋭く、思い切りのいい方です。いざお引っ越し準備となれば、わりとスムーズにいくはずです」(前出・皇室関係者)
秋の紅葉の季節は、高輪皇族邸で過ごされることになるだろうか。
※女性セブン2019年4月25日号