それに対して、昨今話題となったドラマを見回してみると……例えば前クールに注目された『3年A組-今日からみなさんは、人質です-』や『トクサツガガガ』は、設定こそかなり風変わりでした。高校生が教師に人質にされたり、主人公が特撮オタク女子だったり。

 しかし、中身はしごく真面目に現代人の生きづらさに向き合い、社会が押しつけてくる決めつけに抗い、友達間の信頼と裏切り、親子間の葛藤などの矛盾に真摯に迫ろうとしていた。人物の描写は細やかで、心の揺れや感情の幅といった内面を丁寧に表現していました。その上での尖った設定だったからこそ、多くの視聴者の心をつかんだのでしょう。

 そう、今はまず「人間が丁寧に、細やかに描き出されているドラマ」でないと高評価は得られない時代。

 さて『東京独身男子』は? 少なくとも第1話を見る限り、単純化しすぎでは。ドラマ制作側が「記号の世界の住人」のままなのか? バブルの頃ならいざ知らず、もはや世の中は複雑化し情報は錯綜し、単純な記号世界には戻れない。視聴者もナイーブな視線でドラマを見つめている時代です。

 とはいえ、ドラマはまだ始まったばかり。第2話以降、このまま単純化路線を突っ走るのか、それとも別の方向へぐいぐい曲がっていって視聴者を引っ張ってくれるのか。興味津々、追いかけてみたいと思います。

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン