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巨人・好調の秘密は原辰徳監督の「攻撃的采配」にあり

 5月6日のDeNA戦では、8対0と大量リードした直後の3回裏で丸をベンチに下げ、坂本も6回の打席を終えると交代させた。終盤の7~9回、一塁・岡本を除く内野陣の昨年の出場試合数は、二塁・山本泰寛が38試合、三塁・北村拓己が1試合、遊撃・増田大輝が0試合という布陣で臨んだ。もしこれで逆転負けを喫すれば、今後のペナントを左右しかねないような采配となる。しかも、先発は新人の高橋優貴だった。

「原監督からすれば、この交代は油断ではなく“攻撃”なんです。大量リードの時に主力を休ませたいと思っても、3回で丸を代えるのは普通なら躊躇する。しかし、長いペナントレースを考えれば、休める時には無理をしない“積極的休養”が後々効いてくる。

 また、今年の巨人でレギュラーと言えるのは坂本、丸、岡本の3人だけ。若手からすると、早い回で交代できれば、2打席は回ってくる。ポジション獲りへアピールする大チャンスになる。丸の代わりに入った重信慎之介は、9回表にホームランを放った。若手は『打てば使ってもらえる』という確信があるから、必死になれる。そんな状況を原監督が上手に演出している」

 5月4日の広島戦では、慣例であるシートノックをせずに試合に臨んだ。ナイター明けのデーゲームで、8連戦目という事情も考慮してコンディション管理に務めた。

「選手に“攻撃的になれ”と言う監督はいくらでもいる。だが、監督自身がそれを実行できているかに選手は敏感です。起用法1つとっても、守りに入ったかどうかを自然と感じ取っている。監督自身が攻撃的になれば、選手も自然と攻撃的になっていく。原監督は自らの采配を通じて、選手に“攻撃的になれ”とメッセージを送っているのではないでしょうか」

 3年の充電期間を経て、原監督は常識に捉われない“攻撃性”を増して戻ってきたようだ。

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