晩年に精神状態が悪化し、親しい人がみな離れていって孤立を深める大原さんに、最後の救いの手を差し伸べたのは最初の夫の渡瀬さんだった。
事実、渡瀬さんは自身が主演を務めるドラマ『十津川警部シリーズ』(TBS系)に大原さんをキャスティングし、2004年12月に放送された特別ドラマは大原さんの遺作となった。
大原さんとの離婚の翌年、渡瀬さんは一般女性と再婚しているが、大原さんが病気で苦しんだ際も、夫婦で大原さんを支え続けたのだ。佐藤さんは「渡瀬さんとの関係は本物でした」と語る。
「麗子さんは渡瀬さんのことが本当に大好きでした。5年で離婚したけど嫌いで別れたのではなく、『兄妹みたいな関係』と言って、離婚してからも連絡を取り合っていました。家でテレビを見ている時、画面に渡瀬さんが映ると、麗子さんは『カヨさん、渡瀬さんが出ているわよ、ウフフ』と言って、あのかわいらしい顔でうれしそうに微笑んでいました」(佐藤さん)
孤高に生き、秘かな親愛を貫いた大原さん。孤独死から10年、彼女の魅力は色あせない。
※女性セブン2019年7月11日号