国内

暴力団の宴会、半グレと違い芸人を呼んだら「写真を撮るな」

ノンフィクション作家の溝口敦氏

 反社グループへの芸人の闇営業問題が連日、メディアを賑わせている。ヤクザ取材を専門にしてきたノンフィクション作家の溝口敦氏とフリーライターの鈴木智彦氏が、なぜマスコミは事の本質に突っ込まないのか──新聞やテレビの暴力団報道の問題点を突いた。

鈴木:吉本芸人の報道を見ていて、暴力団の宴会だったら普通はバレないのにな、と思いました。俺が知っているヤクザはよく宴会に芸人を呼ぶから何度も同席したことがあるけど、その時は「絶対に写真を撮るな」って何度も言われる。「お前が流すとは思ってないけどカメラに写真があったら何があるか分からないだろ」って、それぐらいナーバスですよ。むしろ相手が半グレの詐欺集団だったからバレたんじゃないか。

溝口:報道を見ておかしいと思うのが、「芸人が反社会的勢力からお金をもらうのが問題だ」ってみんな言うけど、芸人のことばっかり言って、反社会的勢力の側に突っ込んだ記事はないんですよ。吉本興業の今回の処分を見ると、これまで芸人が関係を結んではならない相手は暴力団だけだったが、今回はそれを、特殊詐欺を行なう反社会的勢力にまで拡大した。これは新しい対応なんです。しかし、そのことが新聞やテレビでは触れられていない。

鈴木:その後に発覚したスリムクラブ(内間政成・真栄田賢)の場合は従来型の暴力団の宴会写真ですよね。詐欺で逮捕された犯罪集団と、暴対法で一応は存在を認められている暴力団とは質的に違うだろうと俺は思うんだけど、そこには興味がないんでしょうね。

溝口:半グレが詐欺で稼いだお金が暴力団の資金源になる、と解説されているけど、個人の上納金ならともかく、そんなことが組織的に行なわれているなんて聞いたことない。

鈴木:半グレの奴らはヤクザが嫌いですもんね(笑い)。警察はなんでもかんでも「暴力団の資金源」にしたがるから、その通りに書いているだけ。大本営発表ってやつですよ。

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト