スポーツ

大船渡・佐々木朗希は昭和33年の稲尾和久並みの酷使だった

「令和の怪物」と称される大船渡・佐々木朗希投手(写真:時事通信フォト)

 7月25日に行なわれた高校野球の岩手県大会の決勝戦・花巻東対大船渡で、最速163キロを誇るエース・佐々木朗希投手は登板せず、大船渡は敗戦。試合後、国保陽平監督は21日の盛岡四戦で194球、24日の準決勝の一関工戦でも129球を投げていた佐々木投手の状態を考慮し、故障を防ぐために登板回避を決断したという。

 ここで、ある3人の投手の投球数データを紹介しよう。

【1】9日間4戦435球──。
【2】6日間4戦436球──。
【3】11日間6戦578球──。

【1】は7月16日の2回戦から24日の準決勝までの9日間で、佐々木投手が登板した試合数と球数である。では、似たような数字の2つは一体、いつの誰の戦績なのか。

 その前に、プロ野球における先発投手の役割の変化を振り返ってみよう。近年は分業制が進んでおり、6回3自責点で試合を作ったと評価され、投手の美学とされてきた“先発完投”も減っている。その数の推移を30年毎に見てみよう。

・長嶋茂雄が巨人に入団した昭和33年:セ・リーグ262、パ・リーグ217、計479。
・東京ドームが開場した昭和63年:セ・リーグ170、パ・リーグ271、計441。
・平成最後のシーズンとなった昨年:セ・リーグ43、パ・リーグ42、計85。

 昭和33年から63年にかけては38しか減少していないが、その後の30年で356も少なくなった。つまり、昭和と平成後期では、投手の役割についての考え方が大きく変わっている。

 昭和60年代、不調に陥った“昭和の怪物”こと江川卓(巨人)は100球前後で降板する試合が目立ち、『100球肩』と叩かれていたが、現代の先発投手は中6日で100球を目処にマウンドを降りている。時代によって、価値観は変化しているのだ。

関連記事

トピックス

中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
【観光客が熊に餌を…】羅臼岳クマ事故でべテランハンターが指摘する“過酷すぎる駆除活動”「日当8000円、労災もなし、人のためでも限界」
NEWSポストセブン
2013年に音楽ユニット「girl next door」の千紗と結婚した結婚した北島康介
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
二階堂ふみとメイプル超合金・カズレーザーが結婚
二階堂ふみ&カズレーザーは“推し婚”ではなく“押し婚”、山田美保子さんが分析 沖縄県出身女性芸能人との共通点も
女性セブン
山下美夢有(左)の弟・勝将は昨年の男子プロテストを通過
《山下美夢有が全英女子オープンで初優勝》弟・勝将は男子ゴルフ界のホープで “姉以上”の期待度 「身長162cmと小柄だが海外勢にもパワー負けしていない」の評価
週刊ポスト
京都成章打線を相手にノーヒットノーランを達成した横浜・松坂大輔
【1998年夏の甲子園決勝】横浜・松坂大輔と投げ合った京都成章・古岡基紀 全試合完投の偉業でも「松坂は同じ星に生まれた投手とは思えなかった」
週刊ポスト
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗、直近は「マスク姿で元気がなさそう…」スイミングスクールの保護者が目撃
NEWSポストセブン
娘たちとの関係に悩まれる紀子さま(2025年6月、東京・港区。撮影/JMPA)
《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も
女性セブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
「なぜ熊を殺した」「行くのが間違い」役場に抗議100件…地元猟友会は「人を襲うのは稀」も対策を求める《羅臼岳ヒグマ死亡事故》
NEWSポストセブン