国内

暴力団幹部「一般人が反社かどうか見抜くのはムリ」

反社を見分けることはできる?

反社を見分けることはできる?

 警察や軍関係の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た警官の日常や刑事の捜査活動などにおける驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、暴力団幹部や元刑事に“反社”の定義を聞く。

 * * *
「だいたい吉本芸人たちがかわいそうですよ。あの連中が忘年会に行った時、特殊詐欺グループのやつらもそのフロント企業も、反社(反社会的勢力)扱いになっていませんからね」

 暴力団幹部はそう言って首を傾げた。

「問題の捉え方がおかしい」

 吉本興業ほかの芸人たちが、闇営業で特殊詐欺グループの忘年会に出席しギャラをもらっていた問題で、暴力団幹部はこう話した。反社会的勢力の認定は定義にあいまいな所があり、当時、特殊詐欺グループが反社だと認定するだけの根拠はなく、認定された時期にも問題があると指摘したのだ。

 謝罪会見を開いた宮迫博之は、そのグループが吉本を通したイベントのスポンサーだと聞かされていたと話した。だが吉本興業の岡本昭彦社長は、会見でこれを否定、「すべての取引先に反社チェックをしている」と述べた。

「フロント企業がイベントのスポンサーになった時、やつらはまだ逮捕されていないし、逮捕歴もなかったから反社かどうかはわからない。あの写真が撮られた時、やつらは普通の人。その後でオレオレ詐欺だとわかって逮捕され、反社扱いになっている」

 暴力団幹部からすれば、逮捕前で反社と認定される前なら“普通の人”なのだ。

「マスコミだって吉本だって、あの写真が撮られた時、やつらが反社扱いになっていないとわかってると思うけどね。なのに誰もそこを言わないし、取り上げない。だから、芸人たちは反社の忘年会に出たことになっているが、本当は違う。

 それにあの忘年会、場所は一流ホテルだ。そん時、やつらは普通の人だから、一流ホテルも貸している。反社扱いされていたら、ホテルは貸さない」

 写真週刊誌『フライデー』に掲載された写真は、2014年12月、都内の一流ホテルで行われた特殊詐欺グループの忘年会でのもの。だが詐欺グループが逮捕されたのは、翌2015年の6月。忘年会が行われた時、詐欺グループはまだ逮捕前だ。同じく『フライデー』に掲載された宮迫と金塊強奪犯とが一緒の写真は、撮られたのが2016年7月。福岡市で事件が起きた3週間後ではあるが、強奪犯が逮捕されたのは2017年5月だ。

 彼らに前科前歴がなければ、芸人たちが彼らを危ないやつらだと感じても、反社だと見抜くことはできないだろうと暴力団幹部は話す。

「一緒に写真を撮る、営業に行く、ホテルは部屋を貸す。その後、事件になって逮捕され、そいつらは反社扱いになった。そういうのが後になって出てきたら、いったい何年前まで写真や営業やらをさかのぼればいいんだって話ですよ。やつらがやっていたことは違法でも、その時点では反社扱いではない。だけど写真が公になった時は反社だ。そんなことは山のようにある。そんな問題を何年前までさかのぼって、ここからはダメだと線引きするのか。暴排条例までさかのぼればいいのか」

 暴力団幹部の言うことも、確かに一理ある。

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン