芸能

高倉健さん、鶴田浩二さん 任侠映画は本物ヤクザが演技指導

元組長が高倉健との交友を語る

 吉本芸人の闇営業問題は、芸能界と反社との関係性を改めて浮き彫りにしたとされる。だが、「あんなスケールの小さい男たちと一緒にしてもらっては困る」という声もある。勝新太郎さんを「先生」と呼んで慕った元山口組直参組長・天野洋志穂(よしお)氏(79)に高倉健さんら昭和の名優たちとの思い出を聞いた。ジャーナリストの伊藤博敏氏がリポートする。

 * * *
 天野にとって勝は、「人生の所作」を教えてくれた大事な兄で先生だが、一方で「ヤクザの所作」を教えてくれたのは三代目山口組最高幹部だった「ボンノ」こと菅谷政雄・菅谷組組長だった。

 最初の懲役を終え、賭場に出入りしていた天野の豪快な賭けっぷりが気に入った菅谷は、1969年頃からなにかと目をかけるようになり、1971年、正式に盃を与えて若中(直参)とした。当時、菅谷組は隆盛を誇った三代目山口組の中核部隊だった。

 少年時代、あまりの素行の悪さに、近所の寺の住職が、「煩悩をいさめよ!」と、怒鳴ったことから「ボンノ」と呼ばれるようになり、本人も気に入ったのか、初対面の相手には「ボンノだす」と、挨拶していた。

 組員が声を掛ける時は「親分」ではなく「ボス」。洋画とジャズを愛し、リンカーン・コンチネンタルに乗り、ハットを被って仕立てのいいスーツを着たかと思えば、ジーンズもはきこなす洒落者だった。

 菅谷が、「遊び仲間」として付き合ったのが映画プロデューサーの俊藤浩滋(しゅんどうこうじ)だった。菅谷とともに戦前、地元神戸の賭場に出入りしていた俊藤は、戦後は菅谷グループの一員として暴れる。その後、東映京都撮影所の岡田茂所長(後に社長)と知り合い、独特の人脈と交渉力を買われ東映のプロデューサーになった。俊藤が頼った菅谷はまさに東映の「顔役」だった。

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン