芸能

萩本欽一のツイッターが切り開いたTVと視聴者の新たな関係

番組からの“無茶振り”に見事応えた萩本欽一

 8月3日、4日、11日、18日にNHK-BSプレミアムで放送された『欽ちゃんのアドリブで笑』(2017年から不定期放送)は、テレビの原点を思い出させてくれた。

 まず、過去の欽ちゃん番組と“真逆の現象”が起こっていることに着目したい。日本のバラエティ界を牽引してきた萩本欽一はツッコミ役として、ボケ役に“無茶振り”を繰り返してきた。昭和40年代後半、コント55号では坂上二郎を困らせて最大限におかしさを引き出した。

 昭和50年代、『欽ちゃんのどこまでやるの!』(テレビ朝日系)などでは何時間もリハーサルを繰り返し、出演者の頭に台本を叩き込ませた上で、本番になるとアドリブを飛ばしていた。すると、見栄晴や斉藤清六は慌てふためきながら、必死に対応する。そこに萩本が突っ込みを入れ、笑いに変わっていった。

 現在の『欽ちゃんのアドリブで笑』でも、劇団ひとりや澤部佑(ハライチ)、岡田結実などに1000本ノックのように無茶振りを続けている。8月11日の放送では、劇団ひとりが斧で薪を割るコントの際に「萩本、この野郎! テメエ、好き勝手いいやがって!」と狂ったように叩きまくってネタにしたほどだ。

 だが、この番組で最も“無茶振り”を喰らっているのは、萩本自身である。スマートフォンをほぼ使っていなかった70代に対して、番組は昨年5月、「ツイッターを始めて下さい」と命じた。

 総務省の『平成29年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』によれば、日本のツイッターの利用者は31.1%。10代では67.6%、20代では70.4%が使用しているが、30代31.7%、40代24.3%、50代16.3%と世代毎に減少していき、60代はわずか5.9%になっている。

関連記事

トピックス

24時間テレビで共演する浜辺美波と永瀬廉(公式サイトより)
《お泊り報道で話題》24時間テレビで共演永瀬廉との“距離感”に注目集まる…浜辺美波が放送前日に投稿していた“配慮の一文”
NEWSポストセブン
芸歴43年で“サスペンスドラマの帝王”の異名を持つ船越英一郎
《ベビーカーを押す妻の姿を半歩後ろから見つめて…》第一子誕生の船越英一郎(65)、心をほぐした再婚相手(42)の“自由人なスタンス”「他人に対して要求することがない」
NEWSポストセブン
ネット上では苛烈な声を上げる残念な人がうごめいている(写真/イメージマート)
ネットで見かける残念な人たち…「朝ドラにイチャモン」“日本人じゃないと思う”の決めつけ【石原壮一郎さん考察】
NEWSポストセブン
荒川区には東京都交通局が運行している鉄道・バスが多い。都電荒川線もそのひとつ。都電荒川線「荒川遊園地前」そば(2020年写真撮影:小川裕夫)
《自治体による移動支援の狙いは》東京都はシルバーパス4割値下げ、荒川区は実質0円に 神戸市は高校生通学定期券0円
NEWSポストセブン
阪神の主砲・佐藤輝明はいかにして覚醒したのか
《ついに覚醒》阪神の主砲・佐藤輝明 4球団競合で指名権を引き当てた矢野燿大・元監督らが振り返る“無名の高校生からドラ1になるまで”
週刊ポスト
韓国整形での経験談を明かしたみみたん
《鼻の付け根が赤黒く膿んで》インフルエンサー・みみたん(24)、韓国で美容整形を受けて「傷跡がカパッカパッと開いていた…」感染症治療の“苦悩”を明かす
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
「戦争から逃れてアメリカ移住も…」米・ウクライナ人女性(23)無差別刺殺事件、犯人は“7年間で6回逮捕”の連続犯罪者
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《眞子さんが見せた“ママの顔”》お出かけスリーショットで夫・小室圭さんが着用したTシャツに込められた「我が子への想い」
NEWSポストセブン
大ヒット上映を続ける『国宝』の版元は…(主演の吉沢亮/時事通信フォト)
《映画『国宝』大ヒット》原作の版元なのに“製作委員会に入らなかった”朝日新聞社員はモヤモヤ  「どうせヒットしないだろう」とタカをくくって出資を渋った説も
週刊ポスト
米マサチューセッツ州で18歳の妊婦が失踪する事件が発生した(Facebookより)
【犯人はお腹の子の父親】「もし私が死んだらそれは彼のせい」プロムクイーン候補だった18歳妊婦の失踪事件「# findKylee(# カイリーを探せ)」が最悪の結末に《全米に衝撃》
NEWSポストセブン
不倫の「証拠」にも強弱がある(イメージ)
「不倫の“証拠”には『強い証拠』と『弱い証拠』がある」探偵歴15年のベテランが明かすまず集めるべき「不貞の決定的証拠」
NEWSポストセブン
違法賭博胴元・ボウヤーが激白した「水原と大谷、本当の関係」
《大谷から26億円送金》「ヘイ、イッペイ。翔平が前を歩いてるぜ」“違法賭博の胴元”ボウヤーが明かした「脅しの真相」、水原から伝えられていた“相棒の素顔”
NEWSポストセブン