「中曽根氏の最大の外交的失敗は、全大統領を国賓として招き、宮中晩餐会で昭和天皇が『今世紀の一時期において両国の間に不幸な過去が存在したことはまことに遺憾であり、繰り返されてはならない』とお言葉を述べる場を作ってしまったことです。歴史問題と支援に線引きをしなかったことで、これ以降韓国は新大統領が就任するたびに天皇からの謝罪要求を行なうようになった」
それまで、建前とはいえ引かれていた経済援助と歴史問題の一線が、中曽根氏の外交政策によって消え失せたといえる。
※週刊ポスト2019年9月20・27日号