美智子さまが皇后として最初に臨まれた会見は、今から30年前、上皇陛下が天皇に即位された際の会見だった。

《30年にわたって、先帝陛下と皇太后陛下のお教えを受けて過ごすことができ幸せでございました。また、今上陛下が、いつも本当に広いお心でありのままの私を受け容れて下さいましたので、そのやすらぎの中で導かれ、育てられて来たように思います》

 ご結婚から30年という節目の年を迎えたことについて、率直なお気持ちを述べられたのも、その会見だった。ご成婚から平成までの30年、平成から令和までの30年、社会も大きく変わった。

 国や自治体、企業には透明性、情報発信が求められるようになり、説明責任という言葉が当たり前のように使われるようになった。メディアも新聞・テレビ中心から、ネットメディアやSNSなど多様な広がりを見せ、イギリス王室ではツイッターなどの活用を始めている。

 そうした動きと比べると、日本の皇室は、“逆行”しているようにすら見える。

「9月11日、紀子さまが53才の誕生日を迎えられました。皇太子妃と同待遇の『皇嗣妃』というお立場ですから、前例に則れば、単独で誕生日会見をされてもおかしくない。ところが今回は文書発表でした。そうした点で、皇室の“閉鎖性”が再び強まったともいえます」(皇室記者)

 この流れを断ち切る意味でも、雅子さまが即位に際しての会見に臨まれる意味は大きい。しかし、過去に心ない批判を浴びた雅子さまにとって、そのハードルが高いこともまた事実だろう。

 そんな経緯があるからこそ、今年8月に栃木県の那須御用邸で静養された際の雅子さまの姿に、安堵した国民も多かっただろう。

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