ビールのアルコール度数が5%なのに対し、ストロング系酎ハイの主流は9%と高い。それぞれ500ml缶を1本飲んだ時、摂取する純アルコールの量はビールで20g、9%のストロング系酎ハイなら36gとなる。価格にすれば、ビール1本と同じ純アルコール量が、ストロング系酎ハイなら、たった89円で摂取できることになる。

 2017年に放送されたNHK『ニュースウオッチ9』の特集では、9%のストロング系酎ハイ500mlで、テキーラのショット3.75杯分と同量の純アルコール量になると解説され、視聴者を驚かせた。

 久里浜医療センターでアルコール依存症の女性病棟を担当する精神科医・岩原千絵さんが話す。

「女性にとって適度な1日の飲酒量は、純アルコール10~13g。9%のストロング系酎ハイなら、150~170ml程度。摂取するアルコールが1日10g増えるごとに、乳がんリスクは7.1%増え、骨粗しょう症や月経不順、胎児への悪影響も心配されます」

 筋肉量の違いなどの要因から、女性は男性よりアルコールを分解する能力が弱く、男性の半分の量で肝障害を起こすといわれている。しかも、ストロング系酎ハイを好む女性の購入方法には、注意したいある特徴が。

「ストロング系酎ハイを買う時に、男性は500ml缶を1本買ってガツンとした飲みごたえを求める人が多いのに対し、女性はいろいろなフレーバーを楽しむため、350ml缶を2本買う人が多い」(永井さん)

 仮にその2本を1日で飲んだ場合、男性が追加で350mlの缶ビールを1本飲んでも、摂取した純アルコールの量は女性の方が多くなるのだ。岩原さんが続ける。

「当院の調査によると、新規のアルコール依存症の女性患者数は2003年の8万人から、2013年は13万人に増加しました。

 大量の飲酒が習慣になっている人は耐性がついて多少のお酒では酔えなくなるため、強いアルコールを求めます。患者さんにはストロング系酎ハイの愛飲者も多く、その傾向はストロング系酎ハイが一般的に普及してから間もなく表れています」

 全国どこのスーパーやコンビニでも手に入り、安くておいしく、すぐに酔える酒がほかにないことから、SNSでは「飲む福祉」「麻薬」「つらければつらいほどおいしい魔法の水」などと呼ばれ、「ストロングゼロ文学」というインターネット上の流行も生まれている。

◆ストロングを“キメる”

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン