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優勝からBクラスで辞任の広島・緒方監督、将来再登板あるか

緒方孝市監督が再びユニフォームを着る日は来るか(写真:時事通信フォト)

 10月1日、広島カープの緒方孝市監督が辞任を発表した。昨季までリーグ3連覇を果たしたものの、今季4位に終わった責任を取った格好だ。野球担当記者が話す。

「今季も前評判は高かったですが、2年連続MVPの丸佳浩が巨人にFA移籍した上にリードオフマンである田中広輔の不振、バティスタがアンチ・ドーピング規定違反で出場停止処分になるなど、波に乗り切れませんでした」(以下同)

 2016年に広島を25年ぶりの優勝に導き、昨季まで3連覇を成し遂げた監督が翌年4位まで順位を下げて退任。まさに、球界の一寸先は闇だと示した。

 これまで2リーグ分裂以降、優勝した翌年にBクラス転落の辛酸を舐めたセ・リーグの監督は、今年の緒方孝市監督を除けば、のべ11人。その中で退任したのはヤクルト・広岡達朗監督(1978年優勝→1979年最下位。シーズン途中に辞任)、中日・近藤貞雄監督(1982年優勝→1983年5位)、ヤクルト・野村克也監督(1997年優勝→1998年4位)の3人だけである。

「広岡監督はフロントと折り合いがつかず、近藤監督もシーズン中に来季の新監督が発表されるという異例の事態に見舞われた。野村監督は9年目を迎えており、潮時でもありました」

 Bクラス転落後も留任したのべ8人のうち、翌年優勝したのは1963年の巨人・川上哲治監督、1995年、1997年のヤクルト・野村克也監督の3例がある。Aクラスに戻ったのは1960年の大洋・三原脩監督(2位)、1992年の巨人・藤田元司監督(2位)、1998年の長嶋茂雄監督(3位)の3例。この中で、藤田監督はオフに退任。長嶋監督も辞任の噂が流れ、森祇晶新監督の誕生を報じる新聞もあったが、留任した。1993年の広島・山本浩二監督、2017年のヤクルト・真中満監督はともに最下位に沈み、オフに辞任している。

「緒方監督は、野村謙二郎前監督の遺産のおかげで勝てたと言われたり、短期決戦に弱いと叩かれたりもしましたが、3連覇の偉業は決して色褪せません。2リーグ分裂後、セ・リーグで3連覇を達成したのは巨人以外では、2016~2018年の広島だけです。今後広島がもし低迷期に入れば、再び監督候補として名前が挙がると思います。実際、優勝翌年にBクラスに転落し、辞任した広岡達朗氏は3年後に西武、近藤貞雄氏は2年後に大洋、野村克也氏は翌年阪神の監督を務めています」

 退任会見で「ユニフォームを脱いだ先のことは考えていない」と述べていた緒方監督。いったんは静養するだろうが、近い将来、再びユニフォームを着る機会が来るかもしれない。

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