不幸なのは、じゅうぶんな富も持てず、女性からも相手にされない男たちである。

「自由恋愛の社会では、『持てる者=モテ』は“事実上の一夫多妻”を謳歌する一方で『持たざる者=非モテ』は生涯独身に耐えるしかない。そうした“男の分断”が、先進国ばかりか中国やインドでも進んでいます。

 その最先端といえるアメリカでは、『インセル(Incel)』(Involuntary celibate=非自発的禁欲)という自虐的な俗語がネット世界で急速に広まっています。アメリカ版の“非モテ”ですが、2014年以降、自ら『インセル』を名乗る者による無差別銃撃事件が相次ぎました。これはまさに“非モテによるテロリズム”です。インセルの多くは『白人至上主義』のトランプ支持者ですが、彼らが強く訴えているのは、理不尽で不公平な自由恋愛を終わらせ、一夫一妻の伝統的な性道徳を復活させることです。

 一部のフェミニストはいまだに『一夫一妻を守れ』といっているようですが、インセルは一夫一妻が非モテの男に有利で、一夫多妻はモテの男とすべての女性に有利だということをちゃんとわかっているのです」

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