「ワシの頭には『交代』の文字はなかった。監督がマウンドに来ると“何しに来たんじゃ!”と追い返した。今の選手は交代を告げられると喜んで帰っていく。勝ち星より防御率を気にする選手がいるが、何のために投げているのかと思う。防御率が悪くても勝てばいい。どんなに防御率がよくても負けたら意味がない。ピッチャーは勝ち星を挙げるために投げているということがわかっていない。同点で降板するピッチャーの気持ちが分からんよ」

 この話を聞いたのは昨年のオフだったが、そんな金田氏のお眼鏡にかなうピッチャーを聞くと、こう続けるのだった。

「うーん、最近は記録どころか、記憶にも残らない選手ばかりだからな。諸悪の根源は、先発、中継ぎ、抑えと分業制が確立されたことに尽きる。なぜワシが400勝できたかというと、後ろのピッチャーなんて信用しなかったからじゃよ。

 それでもあえて今の球界で最もワシに近い存在を挙げるなら、分業制の中で先発完投を増やしている巨人の菅野智之かな(2018年シーズンは15勝8敗、10完投で沢村賞)。最後まで誰にもマウンドを譲らんという気概を感じるのよ。技術面でいえば、左バッターの外角からストライクゾーンに入るスライダー。あれに手を出せるバッターはそうそうおらん。狙ったところに投げる能力は、ワシより上だと思うことすらあるよ。

 ただ、菅野はコントロールを駆使して抑えるが、ワシの場合はど真ん中に投げたって打たれなかった。水面に投げた石がぽんぽん跳ねるようなイメージで、空気を滑って伸びたからな。ど真ん中に投げたストレートが高めにググーッとホップして、5センチ外れたボールだといわれて、審判と大喧嘩になって退場をくらったこともあった」

◆リリーフ投手と「名球会」

関連記事

トピックス

裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン