国内

暴力団関係者も地元には払う? みかじめ料のカラクリ

みかじめ料を取るのも厳しくなった?

みかじめ料を取るのも厳しくなった?

 警察や軍関係の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た警官の日常や刑事の捜査活動などにおける驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、ヤクザのみかじめ料について解き明かす。

 * * *
「うちの場合はそのまま払ってますけどね」

 ある飲食店のオーナーがこう語るのは“みかじめ料”のことだ。

 東京都ではみかじめ料を支払った店側にも罰則を科すという改正暴力団排除条例が今年6月に成立し、10月1日からこれが施行されている。にもかかわらず、みかじめ料は未だにそのまま払われているようだ。

「多少は地元の顔も立てないといけませんから」

 そう言ってニヤッと笑ったオーナーは、実は暴力団幹部だ。暴力団関係者であっても地元のヤクザにみかじめ料を払っているのだ。

 暴力団といえばみかじめ料を取る一方で、彼らが払うことなどないと思っていた。だが暴力団幹部といえど、歓楽街に店を出せばカタギと同じく、みかじめ料を払っていると聞いて驚いた。

 確かに属する組のシマ内にだけ店を出しているわけではないし、たとえシマ内だとしても、地元に根付いたヤクザ組織があったり、組織同士が1つの地域で入り組んでいる場合もある。歓楽街がたった1つの組織だけに牛耳られているというわけではないのが現実だろう。

 実際、改正条例の影響で、みかじめ料を取るのがかなり厳しくなったのは事実だという。

「でも、それなりに取っているところも多いね。直接渡しているのもあるし」

 手渡しというオーソドックスなやり方も未だに続いているが、広告や雑誌の定期購読料、観葉植物やおしぼりのリース料など、暴力団は問題視されないよう様々な方法を使ってみかじめ料を取ってきた。「ゴミタメから金を拾う方法をいかに探すかと同じだ」と引退したある大幹部は、みかじめ料についてそう表現していた。

 直接渡しているのかと聞くと、幹部は首を横に振ってはすに構えた。

「あの街は他の街とは違っていてね。地元のヤクザに絶対に金が入るシステムができている」

 幹部のいう“あの街”とは東京都内にある歓楽街の1つだが、ここで街の名前は明かせない。改正条例では新宿、上野、六本木、渋谷など29の歓楽街を特別強化地域に指定し、みかじめ料を払う店側への罰則を強めている。

 絶対に金が入るシステムとはどんなものなのか?

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン