安倍首相はさすが日本のトップだけあって、たくさんの印象的な言葉を発してくれました。漢字が読めなかったと推察される背筋が凍る間違いあり(願って已〈やみ〉みません⇒願っていません)、見事に心がこもっていない決まり文句の繰り返しあり、国会で一国の総理が発するとは思えないトホホすぎるヤジありと、じつに盛りだくさんです。

 片腕的な存在である菅官房長官も負けてはいません。定例の記者会見では、見事なまでに「木で鼻を括ったような対応」を見せ続けてくれています。気に入らない記者や厄介な質問に対する露骨な塩対応も、すっかり板につきました。きっとそんな不愉快な態度を通して、国民に何か大切なことを伝えようとしてくれているに違いありません。

身の丈発言が物議を醸した(時事通信フォト)

 萩生田文科相の「身の丈発言」は激しい非難を浴び、英語民間試験の導入を延期させてしまいました。発言が非難されるまでは押し切る気満々だったのに、言葉が持つ力を見せつけられたと言えるでしょう。来年度の「桜を見る会」の中止がさっさと発表されるなど、このところ今までの「やりたい放題」とはちょっと違う動きが連続しています。

「老後2000万円」も、政府は必死で「なかったこと」にしようとしていますが、2000万円という額は国民の脳裏に強烈に刻まれました。政府のあわてっぷりに、事の重大さや深刻さを読み取らずにはいられません。

 さて、あなたにとっての「大賞語」はどれですか。ま、どれでもいいですね。来年もまた、この手の政治がらみの「新語・流行語」が、たくさん発せられることでしょう。いろいろ残念なことはありますけど、強くたくましく楽しく生きていきたいものです。

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