国内

出所時のヤクザ 「組を辞める」の一筆で即生活保護受給

溝口敦氏(左)と鈴木智彦氏

 老いも若きも年金に対する不安を抱えるなか、そういった心配とはある意味、完全に無縁なのがヤクザだ。年金も保険も入れるはずのないヤクザは、どうやって老後、生きていくのか? 共著『教養としてのヤクザ』(小学館新書)が話題を呼ぶ溝口敦氏と鈴木智彦氏の2人が語り合った。

溝口:組長の周りで執事のような役割をする高齢ヤクザもいます。四代目山口組組長・竹中正久の弟、竹中武(二代目竹中組組長)にはお付きの中に爺さんがいました。

 その爺さんが死んだとき、竹中武は私に電話してきて、「花を出してやってくれんか」と頼んできた。「我々の商売、花は出せないんです」と断わったら、あっさり引き下がってくれましたが、それだけその爺さんを大事にしていたということ。通帳から何から大事なことは一切任せてましたからね。

鈴木:そういう人はいいですが、ヤクザは年金ももらえないから、年を取ると生活が厳しいんです。保険料を納めればヤクザでも公的年金をもらえるはずですが、そんな人は見たことがない。

溝口:継続的な払い込みなんかできないですからね。健康保険がない人だって多い。医者にかかるときは全額自己負担か、あるいは知人の保険証を借りてなりすまして受けるか。

鈴木:私もよく「保険証貸してくれ」って言われました。今はさすがに健康保険は入っているヤクザが多いと思いますが。ちなみに、昔は生命保険に入っていた組員もいて、抗争で殺されて実際に保険金が下りたことがあったそうです。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン