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2019.12.03 07:00  週刊ポスト

東京五輪マラソン 札幌でなく軽井沢開催を提案すべきだった

 軽井沢には浅間山麓の海抜約1000mに42.195km以上の距離を確保できる長い林道コースがあるので、それを整備するか、国道18号線を使えば小諸往復コースが設計できる。北陸新幹線で軽井沢~東京間は1時間だから、マラソン選手は東京での閉会式に十分間に合う。マラソン・競歩の札幌開催は、IOCが独自に考えたのではなく、日本側から入れ知恵した人間がいるはずだが、それなら軽井沢を提案していれば問題の多くは解決しただろう。

 東京五輪は、そもそも招致の時点から大きな疑問符が付く。東京の「立候補ファイル」には7月24日から9月6日(パラリンピック閉会日)の開催日程について「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」と書いてある。

 だが、東京の7月下旬~9月上旬が温暖と言うのは、最高気温が40度超で湿度も高い6月のインドのデリーが快適と言うのと同じくらい不適切だ。招致した人たち(当時の猪瀬直樹知事や竹田恆和JOC会長ら)は今回の混乱の責任を取るべきだろう。

 新国立競技場も、予算オーバーなどの理由でザハ・ハディド氏の斬新なデザイン案をキャンセルして隈研吾氏のデザインになったが、ドームでなくなったため炎天下の酷暑にさらされながらの競技と観戦が避けられなくなった。その一方では、マラソンが札幌開催になったことで、東京都が約300億円を投じた暑さ対策の道路舗装やミストシャワーなどが無駄になってしまった。会計面においても全く整合性のない泥縄式の運営であり、開いた口が塞がらない。

 私が小池知事の立場だったら「招致した2代前の知事が理想的な気候だと強弁したが、それは間違っていたのでアスリートファーストにする」と自らイニシアチブをとり、マラソンは軽井沢への変更を提案する。それを機に五輪はマネーファーストのIOC支配にピリオドを打ち、開催国主導で真のアスリートファーストに転換すべきだと思うのである。

※週刊ポスト2019年12月13日号

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