放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、2019年に“あちら”のお座敷に呼ばれた「笑い」に生きた人々についてお送りする。
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今年もお世話になりました。お世話になり過ぎたのかもしれません。年の瀬になって『面白い人のことばっかり!』『画文集 芸人とコメディアンと』、たて続けに2冊出版し、ここで告知までさせていただきすいません。気がつけば今年は文庫本も入れると5冊、本を出したことになります。働く71歳。来年は「桜を見る会」も行けそうにないので己の働き方改革を考えなければと思います。
こうして年末の号ともなるとどこの雑誌もグラビア等で亡くなった人を追悼してますが、八千草薫、萩原健一、梅宮辰夫ら超メジャーな芸能の人々なら偲んでももらえるし、とりあげてももらえますが、芸能の片隅で“笑い”に生きた人々は思い出してももらえません。たくさん笑わせた人はたくさん悲しいし、少し笑わせてくれた人は少しやっぱり悲しいのです。
2019年あちらからお座敷がかかった笑芸の人達、まずは関西篇。2月には吉本新喜劇で大活躍した山田スミ子。そして天下の明石家さんまの師匠としても知られる笑福亭松之助。この師匠自体が芸人として自由な生き方をしてきた。
5月には吉本新喜劇の若き座長としてひっぱった木村進。6月には「すまんのォ」で知られる“横山たかし・ひろし”のたかし。お正月の演芸番組には欠かせない人だった。その他の大阪の演芸界は“闇営業”一色で、すべて闇の中。あとは税金払えっていう話だ。