一方で、天皇皇后両陛下にとって女性天皇の実現は、自分の娘である愛子さまを天皇にすることに直結する。
「雅子さまは皇后であるご自分以上に重圧がかかる天皇の立場に、愛子さまがつくことに、動揺があってもおかしくありません。皇后のお立場としては皇統の安定的な継承をいちばんにお考えでしょうが、1人の母親としては複雑な思いをお持ちではないでしょうか」(宮内庁関係者)
昨年4月、上皇陛下は生前退位を実現された。それは皇室全体の総意でもあったので、政府側も本腰を入れたのだ。
「その一方で、女性天皇に関しては皇族方のお考えもさまざまで、一枚岩ではないところがポイントです。安倍総理は即位直前から天皇陛下に面会する機会を持つ中で、女性天皇についてのお考えを伺ったといわれています。そうして天皇皇后両陛下の意向を感じ取り、“女性・女系天皇の議論は先送りにできる”と舵を切ったのでしょう」(前出・官邸関係者)
報道各社が行った世論調査では、国民の約8割が女性天皇の容認に賛成だ。そうした多くの国民は、今回の「棚上げ論」に納得できるのだろうか。一刻も早く、オープンな場での議論が望まれる。
※女性セブン2020年2月27日号