ちょうどこのころから、ぼくたちの国は世界の流れの中心から置いてけぼりにされるようになっていった。特に、今の政権になってからは、かろうじて株価を維持しているものの、世界の流れから取り残されているように思う。
世界競争力ランキングで、日本がナンバーワンだったのは1980年代のこと。今は30位まで低下してしまった。30年前には、世界企業トップ50のうち、32社が日本企業だった。今は1社だけ。
かつて2位だった一人当たりGDPも2018年に26位に転落。28位の韓国に追い抜かれる日も近い。世界幸福度ランキングも毎年下がり続けており、58位にまで凋落している。なのに、日本のトップは世界の勢いに追いつこうとするよりも、憲法を改正して“普通の国”になることにしか関心がないように思う。
それ以外は、ほとんど口先だけだ。「地方創生」と言いながら、地方は疲弊したまま。「女性活躍」という看板も掲げたが、女性議員も、会社の女性幹部の数も、先進国のなかで圧倒的に低い。
「働き方改革」も、笛吹けど踊らず。医師の働き方改革も、教師の働き方改革も、つまずいている。
デフレからの脱却もできていない。それどころか消費税を10%に上げたことで、経済は腰折れしかけている。「少子化」に歯止めをかけるはずが、女性も若者も大事にしていないために結婚も出産も難しくなっている。家族の機能が小さくなるなかで、「介護離職」への対策も急務。今となっては「一億総活躍」という言葉が、懐かしくさえある。
こうした現状を、ゴーリー風に表現しようと思ったが、思い浮かぶ言葉は、「あさましい働き方改革」「いきぐるしい一億総活躍」「うさんくさい美しい国ニッポン」「えげつない憲法改正」……とまあ、ゴーリーと違ってあまり笑えない。