国内

安倍首相はコロナデマを収束させる機会に失態 混乱深めた

安倍首相の対応は正しかったのか(写真/EPA=時事)

 ネットでは多くの新型コロナウイルスの不確実な情報が拡散されている。不安が広がるとデマが飛び交い、感染に怯えて嘘を信じ込んだ人々が善意で嘘を拡散させていく。そうして強力な伝染力を持ったデマが広がって社会を混乱に陥れ、ウイルスへの対抗力を失った国民の生命が危険にさらされることなのだ。

 今回、厚労相は当初「新型肺炎は国内では人から人への持続的感染は認められない」と宣言したが、結果はデマだった。以後、「トイレットペーパー不足になる」「26度~27度のお湯を飲めばウイルスは死滅する」など、人々の不安を煽るデマが蔓延したが、2月29日の安倍首相の記者会見はデマを収束させる最大のチャンスではなかったか。

 卒業式も、期末試験もふっとばして全国の小中高校に1か月以上にわたる休校を要請するという異常な決断をした総理大臣が、何を語り、国民に知らされていないどんな事実を明らかにするのか。文科省の官僚や腹心の大臣たちの反対にも耳を貸さなかったのはなぜか。

 国民は耳を澄ませて新型コロナの真実が語られるのを待った。そこで疑問に答え尽くせば、状況は変わったかもしれない。

 しかし、首相は全国一斉休校に関するスピーチを読み上げた後、質疑応答でも事前に官邸記者クラブとすり合わせた質問への回答書を読み上げただけで、他の質問には一切応じないまま会見を打ち切ったことから、「やらせ会見」と批判された。

 自分の言いたいことを一方的に伝え、国民の知りたいことには答えない。そうした姿勢が国民の不安を高め、デマを勢いづかせて社会の混乱を深めていく。

 国民はいま、安全デマで足並みを揃えていた安倍首相とWHOによる新たな“デマ合戦”に翻弄されている。

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン