「もともと新型インフルエンザに備えて厚労省が200万人分を備蓄する薬で、医療機関や薬局には出回っていません。タミフルやゾフルーザなどの抗インフル薬に耐性ができて効かなくなった場合に備えた“奥の手”の位置づけでしたが、ウイルスの複製を抑える作用がある薬で、新型コロナを含む様々なウイルスに対して効果があると期待されている」(長澤氏)
すでに政府は新型コロナウイルスの感染者にアビガン投与を推奨する方針を決め、藤田医科大学病院などで共同の臨床研究が始まっている。
ただし、薬である以上、忘れてはいけないのが副作用の存在である。長澤氏はこう指摘する。
「アビガンは妊娠中に服用すると、胎児に奇形が生じる催奇形性のリスクが指摘されています。劇症肝炎や急性腎障害、スティーブンス・ジョンソン症候群などのその他の副作用も指摘されており、新型コロナの感染者に投与するにしても、国としては慎重に管理するはずです」
他にも抗ウイルス薬「レムデシビル」や抗HIV薬「カレトラ」が効果的である可能性が報じられた。長澤氏が注目するのは、喘息吸入薬の「オルベスコ」だ。