◆「ハリポタ人気」で入場者激増
一方、USJの運営会社ユー・エス・ジェイは2017年4月、米メディア大手のコムキャストの完全子会社になった。
年間入場者数は親会社の意向で公表していないが、それでも米テーマエンターテインメント協会(TEA)の調査で知ることができる。2015年の入場者数は1390万人。TDSの1360万人を上回ったと、当時大きな話題になった。映画「ハリー・ポッター」のアトラクションが集客力を一気に高めた。
直近のTEAによると、入場者数(2018年度)はTDLが世界3位の1790万人、TDSが4位の1465万人だったのに対し、USJは5位の1430万人。TDSが再びUSJを逆転したことになる。1位は米フロリダ州にある、本家本元のウォルト・ディズニー・ワールドのマジックキングダム、2位は米ディズニーランド(カルフォルニア州)だった。
ここへきて、快進撃をもたらした「ハリー・ポッター」効果が薄らいできた。経営的に見ても、新エリアの導入が絶対に必要となっていた。
◆過去最高の600億円を投じて勝負かける
そこで、今夏には新エリアを開業する。任天堂と組み、人気キャラクター「マリオ」をテーマにしたアトラクションが登場する。マリオやヨッシーなど任天堂のキャラクターをテーマにしたアトラクションやレストランを新設し、投資額は過去最大の600億円。集客の次の目玉に育てる考えだ。
最大の売り物は「マリオになれる」ことだ。エリア内で購入できるパワーアップバンドを腕に装着し、USJの公式スマホアプリと連動させる。これでエリア内に点在するハテナブロックをマリオと同じように飛び跳ねて叩けば、コインを集めることができる。獲得したコインはスマホで確認することができる。来場者同士がコイン集めを競い合えるほか、協力して敵のキャラクターを倒すイベントもある。
合言葉は「#WE ARE MARIO!!」。ゲームとリアルが融合し、入場者はマリオと化す。USJのジャン・ルイ・ボニエ社長は、「次世代テーマパーク体験をお届けする」と宣言した。マリオをテーマにした新アトラクションが大ヒットすれば、ハリー・ポッターとの二枚看板で入場者数2000万人も視野に入ってくる。
こうして、東西の2大テーマパークは新アトラクションの投入をテコに、新型コロナ後の反転攻勢を虎視眈々と狙っている。