高知の前妻・高島礼子

◆当事者や家族の希望になりたい

 回復の道は平坦ではない。こうしてインタビューで自らをさらけ出せるようになるまでは、苦難の連続だった。

「事件後、親しかった人や面倒を見ていた後輩まで、一斉に離れていきました。自業自得だとわかっていても、寂しさがあった。親身になって仕事を紹介してくれた人もいたんですが、“再犯の可能性もあると上司に言われてしまって…”とダメになったこともあった。再起するチャンスさえ得られないなら、もう死んだ方がいい。自宅マンションの4階から、飛び降りようとしたこともありました」

 留置所で紹介された国立精神・神経医療研究センター医師のカウンセリングを受けたが、薬物依存だと認めるのには3~4か月かかったという。

「最初は“あなたは重症ではないけれど、病気です”と言う先生に向かって“いや病気じゃない”と押し問答を繰り返していて。でもカウンセリングを重ねるごとに、自分がどれほど薬物に頼っていたのかを認識できるようになったんです」

 その後、公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」につながり、回復プログラムを行う自助グループで、依存症をはじめ、同じ苦しみを抱える仲間と出会う。特に自助グループでは、「なぜ自分の生き方がここに行きついたのか」を探るため、これまで隠してきた自らの生い立ちを振り返った。

 現在は全国で講演を行い、自らの経験を伝える日々。そこでは、過酷な生い立ちも赤裸々に語っている。

「すべてさらけ出すことで、依存症だけでなく、家庭的に過酷な状況にある人の救いにもなれたらいいなと考えているんです。そしてもう一度人生をやり直すためにも、おれが身をもって依存症から回復できることを証明し、当事者やご家族の希望になりたい。それがいまのおれの生きる糧でもあるんです」

 高知は、どう生き直していくのか。

※女性セブン2020年4月23日号

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